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退職給付金

【自己都合vs会社都合】退職給付金の差を元人事が完全比較

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「自己都合と会社都合って、何がどう違うの?」——退職を考えたとき、この疑問は必ずといっていいほど出てきます。

実は、退職理由の区分によって、受け取れる給付金の金額・スピード・期間がまったく変わります。知らずに「自己都合」で処理されると、数十万円単位で損をする可能性があるのです。

この記事では、元人事・労務の視点から、自己都合と会社都合の違いを退職給付金にフォーカスして徹底的に解説します。あなたが正しい知識で、もらえるお金を1円も取りこぼさないための記事です。

📋 この記事でわかること
  • 自己都合退職・会社都合退職の定義と具体的な違い
  • 失業給付(雇用保険)の待期期間・給付期間・金額の差
  • 退職理由を「会社都合」に変更できるケースと手続き
  • 傷病手当金・退職金への影響
  • 給付金を最大限受け取るための正しい順番
  • 退職前に必ずやっておくべき確認リスト
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自己都合退職・会社都合退職とは?まず定義を整理しよう

「自己都合」「会社都合」という言葉は日常的に使われますが、実は雇用保険の制度上、正確な定義があります。あなたの退職がどちらに分類されるかによって、受け取れる給付金の内容が大きく変わります。まずここをしっかり理解しましょう。

自己都合退職とは

自己都合退職とは、労働者側の意思・事情によって退職することを指します。転職・結婚・引越しなど、自分の都合で辞めるケースが該当します。

自己都合退職の主なケース 具体例
転職・キャリアチェンジ 他社からオファーを受けて退職
家庭の事情 結婚・出産・育児・介護のため退職
一身上の都合 「もう続けられない」と感じての退職
体調不良(会社都合に変わる場合あり) やむを得ない事情があれば特定理由離職者になることも
ポイント
自己都合退職でも、「特定理由離職者」に認定されると、会社都合退職に近い扱いになるケースがあります。体調不良・ハラスメント・契約更新の打ち切りなど、自分都合のように見えて会社側に原因がある場合は、必ずハローワークで確認しましょう。

会社都合退職とは

会社都合退職とは、会社側の事情や行為によって、労働者が退職を余儀なくされたケースです。雇用保険の制度上は「特定受給資格者」に分類されます。

会社都合退職の主なケース 具体例
解雇・リストラ 整理解雇・経営上の理由による解雇
雇い止め 契約社員・派遣社員の契約を更新しないと通告
労働条件の一方的な不利益変更 給与の大幅引き下げ・部署異動の強要
ハラスメント・違法行為 パワハラ・セクハラ・賃金不払いによる退職
事業所の閉鎖・移転 通勤不可能な遠方への転勤命令など

「特定理由離職者」という第三のカテゴリーも存在する

実は、自己都合と会社都合の中間にあたる「特定理由離職者」という区分もあります。これは、自分の意思で辞めているが、やむを得ない事情があったと認められるケースです。

区分 代表例 給付面での扱い
特定受給資格者(会社都合) 解雇・倒産・雇い止めなど 最も有利な条件
特定理由離職者 体調不良・育児・介護など 一部で会社都合と同様の扱い
一般受給資格者(自己都合) 転職・一身上の都合など 最も制限が多い

退職給付金(失業給付)で自己都合と会社都合はここまで違う

「どちらでも同じでしょ?」と思っていませんか?実は、失業給付(基本手当)においては、待期期間・給付期間・受給資格の有無など、複数の重要な点で大きな差が生じます。

待期期間(給付開始までの日数)の違い

退職後すぐにお金が必要なとき、最もダイレクトに響くのが「いつから給付が始まるか」です。

項目 自己都合退職 会社都合退職
給付制限(待期)期間 7日間の待機+原則2ヶ月の給付制限 7日間の待機のみ(給付制限なし)
実際に給付が始まる目安 ハローワーク申請から約3ヶ月後 ハローワーク申請から約1ヶ月後
注意
自己都合退職の給付制限は、2020年10月の法改正以降、一定の条件(職業訓練受講など)で短縮されることもあります。また「5年間で2回以上の自己都合退職」の場合は3ヶ月に延長されるケースもあります。最新ルールは必ずハローワークでご確認ください。

給付期間(もらえる日数)の違い

給付がもらえる日数(所定給付日数)も、会社都合の方が有利に設定されています。年齢・雇用保険の加入期間によって変わりますが、傾向として以下のような差があります。

年齢・加入期間 自己都合(目安) 会社都合(目安)
30歳未満・加入1〜5年未満 90日 90〜120日
30歳〜44歳・加入5〜10年 120日 180〜240日
45歳〜59歳・加入10〜20年 150日 240〜270日
ポイント
上記はあくまで目安です。正確な所定給付日数は、あなたの年齢・雇用保険加入期間・離職区分によって変わります。ハローワークの公式サイトまたは窓口にて、個別に確認することをおすすめします。

受給資格の条件(加入期間)の違い

失業給付を受け取るには、一定期間の雇用保険加入が必要です。この必要期間も、退職理由によって異なります。

退職区分 受給に必要な雇用保険加入期間(目安)
自己都合退職(一般) 離職前2年間に12ヶ月以上
会社都合退職・特定理由離職者 離職前1年間に6ヶ月以上

退職金・傷病手当金への影響も見逃せない

失業給付だけでなく、退職金の計算や、病気・ケガで退職した場合の傷病手当金にも、退職理由の区分が関わってくることがあります。あなたの状況に当てはまるか、ぜひ確認してみてください。

退職金への影響

退職金の金額は、会社の退職金規程によって異なります。多くの企業では、「自己都合退職」と「会社都合退職(解雇など)」とで支給率(係数)を変えており、一般的に会社都合の方が高い設定になっていることがあります。

ポイント
退職金の計算方法・支給率は会社ごとに異なります。「自己都合で辞めようとしているが、実態は会社都合に近い」という場合は、退職金の差額も含めて会社側と交渉する余地があります。一人で交渉が難しければ、労働組合・労働基準監督署・弁護士・社労士への相談を検討しましょう。

傷病手当金との関係

体調不良・メンタル疾患が原因で退職する場合、傷病手当金の存在も重要です。傷病手当金は健康保険の制度で、在職中に受給中であれば退職後も一定条件のもとで受け取り続けられます。

項目 内容
対象者 業務外の病気・ケガで働けなくなった健康保険加入者
支給額の目安 標準報酬日額のおおよそ3分の2(ケースにより異なる)
支給期間 支給開始日から通算1年6ヶ月(2022年法改正後)
退職後も続けてもらえる条件 ①退職日時点で受給中、②退職日まで継続1年以上の被保険者期間
失業給付との併給 原則として同時受給はできない。傷病手当金を優先するのが一般的
注意
傷病手当金を受給しながら退職する場合、退職理由(自己都合・会社都合)よりも「健康保険の継続加入要件を満たしているか」が重要です。退職日の翌日に健康保険の任意継続か国民健康保険に切り替えるか、事前に確認してください。給付金の組み合わせは複雑なため、社会保険労務士または年金事務所・健康保険組合への相談をおすすめします。

社会保険の切り替えにも差が出る

退職後の健康保険には「任意継続」「国民健康保険」の2択があります。どちらが有利かは収入や家族構成によって異なりますが、退職理由によって国民健康保険料が軽減される制度があることは知っておくべき知識です。

✅ 国民健康保険の軽減措置チェック

会社都合・特定受給資格者・特定理由離職者に該当する

雇用保険受給資格者証(離職区分コード)を持っている

退職後に住んでいる市区町村の国民健康保険に加入する

上記に該当する場合、国民健康保険料の前年給与分が軽減される制度があります。詳細はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

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「自己都合」を「会社都合」に変更できるケースと手続き

「会社から『自己都合にしてほしい』と言われたけど、実態は解雇同然だった」——こういうケースは少なくありません。でも安心してください。退職理由の区分は、実態に基づいてハローワークが最終的に判断するものであり、会社が一方的に決めるものではありません。

こんな場合は「会社都合(特定受給資格者)」になり得る

✅ 実態が会社都合に近いケース・チェックリスト

「自己都合で辞めろ」と上司・会社に強く言われた(退職勧奨)

給与・手当が突然大幅に下げられた

パワハラ・セクハラを受け続けて退職を決めた

残業代・賃金が支払われなかった(未払い)

契約社員・派遣社員で「もう次の契約はない」と言われた(雇い止め)

会社が倒産・事業所が閉鎖した

通勤が不可能になる遠方への転勤を命じられた

ハローワークで実態を申告する手順

離職票の「退職理由」欄に会社が記載した内容と、あなたが思う実態が異なる場合は、ハローワークで異議を申し立てることができます。

01
離職票を受け取る・内容を確認する
会社から発行された離職票の「離職理由」欄を必ず確認。「自己都合」と記載されていても、実態と違えば次のステップへ。

02
ハローワークで「異議あり」として申し出る
離職票の離職者記載欄に「異議あり」を記入し、実態を担当者に説明します。証拠(メール・録音・給与明細など)があれば持参すると有利です。

03
ハローワークが会社に事実確認をする
ハローワークが会社側に確認を取り、最終的な離職区分を判断します。

04
会社都合(または特定理由)に変更されれば給付に切り替わる
認められれば待期期間短縮・給付日数増加などの恩恵が受けられます。

証拠として有効なものを事前に集めておく

「実態は会社都合だ」と主張するには、証拠が重要です。退職前・退職後すぐに以下を保全しておきましょう。

✅ 証拠として有効なものチェックリスト

「退職してほしい」と言われたメール・チャット履歴

給与明細(給与が下がったことの証明)

ハラスメントの記録・日時・場所・内容のメモ

医師の診断書(体調不良が原因の場合)

タイムカード・勤怠記録(長時間労働の証明)

退職理由で変わる給付金を最大化するための正しい順番

退職後にもらえるお金は複数あります。ただし、受け取る順番を間違えると、もらえるはずの給付金が減ったり、受け取れなくなったりすることがあります。ここでは、状況別の基本的な順番を解説します。

体調不良・メンタル不調での退職の場合

体調が悪くて働けない状態での退職は、傷病手当金を先に受け取ることが基本の考え方です。

01
在職中から傷病手当金を申請する
働けない状態になったら、まず健康保険の傷病手当金を申請。在職中から受け取り始めることが退職後も続けてもらえる条件のひとつです。

02
退職後も傷病手当金を継続受給する
退職後も働けない状態が続く間は傷病手当金を優先。失業給付(雇用保険)との同時受給は原則できません。

03
働ける状態に回復したらハローワークで失業給付を申請
傷病手当金の受給が終わり、働ける状態になったら、雇用保険の受給期間延長を申請していた場合はハローワークへ。

04
必要に応じて退職給付金サポートも検討する
申請が複雑に感じる場合、給付金の申請をサポートしてくれる専門サービスの活用も選択肢のひとつです。

注意
傷病手当金の受給中に「転職活動できる状態」と判断されると、失業給付との重複問題が生じる可能性があります。自分の状況でどちらをいつ申請すべきか、必ず社会保険労務士または年金事務所・ハローワークの窓口で相談してください。

健康な状態での自己都合退職の場合

転職活動のために退職する場合は、失業給付を軸に考えます。ただし、給付制限の2ヶ月間の生活費を事前に確保しておくことが重要です。

時期 やること ポイント
退職前 退職理由の確認・離職票の内容チェック 実態と違う場合はハローワークで申告
退職後すぐ 健康保険・年金の切り替え手続き 国民健康保険の軽減制度も確認
退職後7日以内目安 ハローワークで求職申し込み・受給手続き 離職票・雇用保険被保険者証を持参
給付制限明け 失業給付(基本手当)の受給開始 認定日に必ずハローワークへ

退職前に必ず確認しておきたい・やっておくべきこと

「もっと早く知っておけばよかった」と後悔しないために、退職前に必ずやっておくべきことをまとめました。特に、退職理由の確認と証拠の保全は、後から取り返せないことがあるため、慎重に対応してください。

退職前のチェックリスト

✅ 退職前に必ずやっておくこと チェックリスト

雇用保険の加入期間を確認する(通算何年・何ヶ月か)

退職理由の区分(自己都合・会社都合)を会社に確認する

退職金規程で自己都合・会社都合の支給率を確認する

体調不良がある場合は在職中に医師の診察・診断書を受ける

有給休暇の残日数を確認し、全消化できるよう申請する

会社都合に変更できそうな事情があれば証拠を保全する

退職後の生活費(少なくとも3ヶ月分)を確認・確保する

離職票が届いたらすぐ確認すべきこと

退職後、会社から離職票が届いたら、内容を必ずチェックしてください。記載されている「離職理由コード」があなたの実態と合っているかどうかが重要です。

確認項目 確認内容 問題があった場合
離職理由コード 「4D」など会社が記載したコードを確認 ハローワークで「異議あり」として申し出る
賃金額の記載 給与明細と一致しているか 会社に訂正を依頼、または労基署に相談
被保険者期間 入社日・実際の加入期間が正確か 会社に確認・ハローワークで申告

一人で悩まず、専門家・公的窓口に相談しよう

退職給付金の手続きや退職理由の変更は、一人で完璧に対応しようとすると情報が多すぎて混乱することがあります。あなたが不安を感じたら、以下の窓口に相談してください。

相談窓口 相談できる内容 費用
ハローワーク 失業給付・離職区分・求職活動 無料
年金事務所・健康保険組合 傷病手当金・健康保険の切り替え 無料
労働基準監督署 未払い賃金・不当解雇・ハラスメント 無料
社会保険労務士(社労士) 給付金の申請サポート・手続き全般 相談料が発生する場合あり
退職代行・給付金サポートサービス 退職手続き・申請のサポート全般 サービスにより異なる
ポイント
「退職を言い出せない」「会社と交渉したくない」という場合は、退職代行サービスを使って安全に退職し、そのうえで給付金の申請を進める方法もあります。一人で抱え込まず、使えるサポートを賢く活用しましょう。

まとめ:自己都合と会社都合、給付金の違いを正しく知って損しない退職を

この記事のポイントをもう一度整理します。退職給付金は、退職理由の区分によって大きく変わります。あなたが損をしないためのポイントを確認してください。

比較項目 自己都合退職 会社都合退職
失業給付の給付制限 原則2ヶ月の給付制限あり 給付制限なし(7日待機のみ)
給付日数 比較的短め 年齢・加入期間により長め
受給資格の加入期間 2年間で12ヶ月以上 1年間で6ヶ月以上
国民健康保険料 通常通り 軽減制度あり(自治体により異なる)
退職金 支給率が低いことが多い 支給率が高いことが多い
  • 退職理由は会社が一方的に決めるものではなく、実態に基づいてハローワークが判断する
  • 「自己都合」でも実態が会社都合なら、ハローワークへの申告で変更できる可能性がある
  • 体調不良の場合は傷病手当金→失業給付の順番が基本
  • 退職前に証拠の保全・有給消化・保険加入期間の確認をしておくことが重要
  • わからないことはハローワーク・社労士・専門サポートに相談してOK

退職は人生の大きな転換点です。あなたが正しい知識を持って、もらえるお金をきちんと受け取り、次のステップへ進めるよう応援しています。一人で全部抱え込まず、専門家や公的窓口をどんどん活用してください。

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