🔔 無料相談受付中 | 退職後に受け取れる給付金を最大化する方法、今すぐチェック
トップへ
退職給付金

高年齢求職者給付金とは?65歳以上の失業保険の金額・計算方法・年金との併給を元人事が解説

65歳以上でも失業保険はもらえます(高年齢求職者給付金)

「65歳を過ぎて辞めたら、失業保険はもうもらえない」と思っていませんか。もらえます。名前が変わって「高年齢求職者給付金」になり、30日分または50日分を一括で受け取れます。しかも年金と同時に受け取れて、受け取った直後に再就職しても返す必要がありません

人事・労務として10年、定年再雇用の方の離職手続きを何度も担当し、退職支援の会社で1,000件以上の相談を受けてきた立場から、受給条件・金額の計算・いつもらえるか・年金との関係・64歳で辞めるのと65歳で辞めるのはどちらが得か・手続きを整理します。

💡 この記事でわかること
・高年齢求職者給付金とは(失業保険との違い)
・受給条件(被保険者期間6か月以上・失業の状態)
・金額:30日分か50日分か、基本手当日額の計算式と上限
・いつもらえるか:待期7日・自己都合の給付制限・一括支給
・老齢年金と併給できる/再就職しても返さない/何度でももらえる
・64歳で辞める vs 65歳で辞める、どちらが得か
・手続き・必要書類・期限(離職翌日から1年)

高年齢求職者給付金とは|65歳以上の「失業保険」

雇用保険に加入している65歳以上の人は「高年齢被保険者」と呼ばれ、離職して失業状態になったときに受け取るのが高年齢求職者給付金です。64歳までの「基本手当(いわゆる失業保険)」に相当する制度ですが、仕組みが大きく違います。

基本手当(64歳まで) 高年齢求職者給付金(65歳以上)
支給の形 4週ごとの認定日に、認定された日数分を分割で受給 一括(1回の認定で全額)
支給日数 90〜330日(年齢・加入期間・離職理由で決まる) 被保険者期間1年以上:50日分/1年未満:30日分
老齢年金との関係 特別支給の老齢厚生年金は支給停止 併給できる(年金は止まらない)
受給後の再就職 残日数によっては再就職手当。受給中の就職で残りは打ち切り 受け取った直後に就職しても返さなくてよい
回数 受給後は被保険者期間がリセット 再び雇用保険に加入して離職すれば何度でも受けられる
必要な被保険者期間 離職前2年に12か月以上(会社都合等は1年に6か月) 離職前1年に6か月以上
💡 元人事から
人事側で一番多かった誤解は「65歳になったら雇用保険から外れる」というものです。2017年以降、65歳以上でも週20時間以上・31日以上の見込みで働く人は雇用保険に加入しており、給与明細で雇用保険料が引かれているなら対象です。定年再雇用で65歳を超えて働いている人も同じです。

受給条件|2つだけ

条件 内容 確認方法
① 被保険者期間 離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算6か月以上 離職票−2の被保険者期間欄。複数の会社をまたいで通算できる
② 失業の状態 働く意思と能力があり、求職活動をしているのに就職できていない ハローワークで求職申込みをする。「もう働かない」と申告すると対象外
⚠ 「働く意思」が要件
「年金があるから働かなくていい」「趣味で過ごす」と窓口で言うと、失業の状態と認められず受給できません。週20時間程度のパートでもよいので「働く意思がある」ことが前提です。逆に、体調で働けない場合は基本手当と同じく受給期間の延長を申請できます。

金額はいくら?|30日分か50日分か、計算式と上限

日数の判定

離職前の被保険者期間 支給日数
1年以上 基本手当日額 × 50日
1年未満(6か月以上) 基本手当日額 × 30日

基本手当日額の計算

1
賃金日額を出す
離職前6か月の賃金合計(賞与を除く)÷ 180日
2
給付率をかける
60歳以上の給付率は45〜80%。賃金日額が低いほど率は高い(65歳以上は60〜64歳の区分が適用される)
3
上限と比べる
基本手当日額の上限は2026年8月改定で7,830円(賃金日額上限17,400円)。毎年8月に改定される
例:離職前の月給(6か月平均) 賃金日額 基本手当日額の目安 50日分の目安
15万円 5,000円 約4,000円(給付率80%) 約20万円
24万円 8,000円 約5,200円 約26万円
36万円 12,000円 約5,400円 約27万円
45万円 15,000円 約6,750円(給付率45%) 約34万円
52万円以上 17,400円〜 上限の7,830円 約39万円(上限)
⚠ 断定しません
上の表は厚生労働省公表の計算式(令和8年8月1日適用・60〜64歳区分)に当てはめた目安です。賃金日額5,480円〜12,120円の帯では率がなだらかに下がるため、月給24万円と36万円で日額があまり変わらないのは仕組み上のものです。上限額は毎年8月に変わります。正確な金額は受給資格決定後に発行される受給資格者証の「基本手当日額」で確認してください。「計算ツール」で出た数字も同じく目安です。

いつもらえる?|待期7日・給付制限・一括振込

退職理由 受給までの流れ 初回振込の目安
定年・契約期間満了・会社都合 求職申込み → 待期7日 → 認定日 → 一括振込 求職申込みから約1か月
自己都合 求職申込み → 待期7日 → 給付制限1か月(2025年4月以降)→ 認定日 → 一括振込 求職申込みから約2か月
重責解雇 給付制限3か月 約4か月

基本手当と違い、認定は原則1回です。認定日に失業の状態が確認されれば、30日分または50日分が数日後にまとめて振り込まれます。認定日までに求職活動の実績が必要(原則1回以上。ハローワークの案内に従う)なのは基本手当と同じです。

⚠ 期限は1年
受給期限は離職日の翌日から1年です。手続きが遅れると、給付制限や待期を差し引いた残りの期間で支給日数を受け切れず、減額されることがあります。「年内にゆっくり行こう」ではなく、離職票が届いたらすぐ行ってください。

年金と併給できる・再就職しても返さない・何度でももらえる

よくある疑問 答え
老齢年金をもらっていても受給できる? できます。65歳以降の老齢基礎年金・老齢厚生年金は高年齢求職者給付金と併給でき、年金は止まりません(64歳までの基本手当は特別支給の老齢厚生年金が停止されるのと大きく違う)
受け取った翌週に再就職が決まった。返す? 返しません。一時金なので、受給後の就職で返還や調整はありません
再就職先を1年で辞めた。また受給できる? できます。新しい勤務先で雇用保険に加入し、離職前1年に6か月以上の被保険者期間があれば、再び30日分または50日分を受給できます
アルバイト・パートでも対象? 週20時間以上・31日以上の雇用見込みで雇用保険に加入していれば対象。受給の認定日までにアルバイトをした場合は申告が必要
税金はかかる? かかりません(雇用保険の給付は非課税)。確定申告にも書きません

64歳で辞めるか、65歳で辞めるか|どちらが得?

「65歳の誕生日の前に辞めると失業保険(基本手当)が最大150日もらえるから得」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは半分正しく、半分は状況次第です。

64歳で離職(65歳の誕生日の前々日まで) 65歳以降に離職
受け取る給付 基本手当(自己都合:加入10年以上で120日、20年以上で150日/会社都合:最大240日) 高年齢求職者給付金(最大50日)
日数の差 多い 少ない
年金との関係 特別支給の老齢厚生年金の対象者は受給中は年金が停止 併給できる
受け取り方 4週ごとに分割。認定日ごとに求職活動実績2回 一括。認定は1回
再就職 受給中の就職で残りは打ち切り(再就職手当の可能性) 就職しても返さない
💡 2026年の状況
2026年時点で64歳の男性(1961年4月2日以降生まれ)は、そもそも特別支給の老齢厚生年金の対象ではありません。この場合は年金停止の心配がないので、加入期間が長い人ほど64歳で辞めて基本手当を受けるほうが日数の面で有利になります。一方、女性は1966年4月1日以前生まれなら特別支給の対象になり得るので、停止される年金額と基本手当を比べる必要があります。年金事務所で「ねんきん定期便」をもとに試算してもらうのが確実です。
⚠ 給与との比較を忘れずに
「64歳で辞めたほうが得」と会社に退職日を早めてもらう場合、給与・退職金・企業年金への影響も同時に確認してください。給付日数の差より、数か月分の給与のほうが大きいことは普通にあります。

手続きと必要書類

1
離職票−1・−2を会社から受け取る
退職後10日前後で届く。届かなければ会社に催促、それでも来なければハローワークに相談。
2
住所地のハローワークで求職申込み・受給資格決定
離職票2枚、マイナンバーカード(なければ番号確認書類+本人確認書類)、本人名義の通帳またはキャッシュカード、写真(省略できる場合あり)を持参。
3
待期7日(自己都合は+給付制限1か月)
この間に雇用保険説明会に参加。求職活動実績を1回以上作る。
4
認定日に失業認定申告書を提出
認定されれば数日後に30日分または50日分が一括で振り込まれる。

高年齢求職者給付金に関するよくある質問

Q. 高年齢求職者給付金は再就職しなくてももらえますか?
A. 「働く意思があり求職活動をしている」ことが要件なので、求職申込みと認定日までの求職活動実績は必要です。ただし受給後に再就職しなかったからといって返す必要はありません。
Q. 自己都合で辞めた場合ももらえますか?
A. もらえます。待期7日のあとに給付制限(2025年4月以降は原則1か月)がつき、そのあとの認定日に一括で支給されます。
Q. 金額はどう計算しますか?
A. 離職前6か月の賃金÷180で賃金日額を出し、60歳以上の給付率(45〜80%)をかけた基本手当日額に、被保険者期間1年以上なら50日、1年未満なら30日をかけます。上限額は毎年8月に改定され、2026年8月改定では60〜64歳区分の基本手当日額の上限が7,830円です(65歳以上の高年齢求職者給付金もこの区分の給付率・上限で計算されます)。
Q. 年金と同時にもらえますか?
A. もらえます。65歳以降の老齢年金は高年齢求職者給付金の受給で停止されません。
Q. 何度ももらえますか?
A. 再就職先で雇用保険に加入し、離職前1年に6か月以上の被保険者期間があれば、離職のたびに受給できます。
Q. 65歳以上のアルバイトでも対象ですか?
A. 週20時間以上・31日以上の雇用見込みで雇用保険に加入していれば対象です。加入していたかは給与明細の雇用保険料欄で確認できます。
Q. 申請の期限はありますか?
A. 離職日の翌日から1年が受給期限です。遅れると支給日数が減ることがあるので、離職票が届いたら早めにハローワークへ行ってください。

まとめ|65歳以上でも「失業保険」はある。一括・年金併給・返還なし

  • ✅ 65歳以上の離職は高年齢求職者給付金。基本手当日額 × 50日(加入1年以上)または30日を一括受給
  • ✅ 条件は離職前1年に被保険者期間6か月以上+働く意思と求職活動
  • ✅ 自己都合は給付制限1か月。受給期限は離職翌日から1年
  • 老齢年金と併給OK・再就職しても返さない・何度でも受けられる
  • ✅ 64歳で辞めると基本手当の日数は多いが、年金停止の有無と給与を含めて比較する
  • ✅ 正確な金額は受給資格者証の「基本手当日額」で確認

65歳を過ぎてからの退職は「もう制度の対象外」と諦めてしまう人が本当に多い分野です。離職票を持ってハローワークに行けば、30〜50日分がきちんと受け取れます。

※本記事は大分労働局「高年齢求職者給付金のご案内」(受給要件・30日分/50日分・待期・給付制限・受給期限)、ハローワークインターネットサービス、厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」(2026年8月改定)をもとに2026年9月時点で作成しています。給付率・上限額は毎年8月に改定され、年金との関係は生年月日で異なります。金額の目安は仕組みから算出した概算であり、正確な額はハローワークが決定します。

海田
この記事を書いた人
海田 次郎
人事5年・労務5年の実務を経て、退職支援会社で退職相談の面談を1,000件以上担当。会社側と辞める側の両方を見てきた経験から、制度は一次情報で確認し、サービスの弱点も含めて正直に書くことを方針にしています。

あなたに合った退職支援会社を今すぐ探す

簡単な質問に答えるだけで最適な会社をご提案します

← 前の記事 退職の引き止めは違法?しつこい引き止めの断り方と「引き止… 次の記事 → 失業保険の受給条件は3つ|自己都合・アルバイト・入社1年…

あなたに合った退職給付金サポート会社を今すぐ探す

3分でわかる!簡単な質問に答えるだけで最適な会社をご提案します。