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「頑張っても給料は変わらない。だから決められた仕事だけをやる」——こうした働き方は「静かな退職」と呼ばれ、日本でも広がっています。
この記事では、静かな退職の意味、日本でどれくらいの人が当てはまるのかという調査データ、クビや懲戒にならないのか、続けた先にどんなリスクがあるのかを整理します。そのうえで、「本当は辞めたいのかもしれない」と感じている人に向けて、次の一歩の考え方もまとめました。
・マイナビの調査(2026年4月公表)では、正社員の46.7%が「静かな退職をしている」と回答
・最低限の業務をしているだけで、すぐに懲戒になることは通常ない。ただし評価や賞与には響きやすい
上司に言い出せない・引き止めが怖いときは
自分で伝えるのが難しいときは、退職の連絡を退職代行に任せる方法もあります。今お金がなくても、後払いや給料日払いで頼めるところがあります。
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目次
静かな退職とは|辞めずに「最低限だけ働く」こと
静かな退職は、英語の「quiet quitting」を訳した言葉です。米国の辞書Merriam-Websterは、「仕事で求められる最低限の量だけ働くこと」と説明しており、言葉が使われ始めたのは2022年とされています。米国のSNSで広まり、調査会社ギャラップは2022年に「米国の働き手の少なくとも50%がquiet quitterにあたる」と発表しました。
名前に「退職」とありますが、実際に会社を辞めるわけではありません。仕事は辞めずに、出世や昇給のための「プラスアルファ」の頑張りをやめ、心の中で仕事と距離を置く働き方です。
| 静かな退職 | 本当の退職 | |
|---|---|---|
| 会社に在籍 | 続ける | 辞める |
| 仕事 | 決められた範囲だけこなす | 引き継いで終える |
| 給料 | これまでどおり | なくなる(転職先や失業保険へ) |
| 周りから見ると | 気づかれにくい | はっきりわかる |
日本でどれくらい?|正社員の約半数が「静かな退職」
マイナビの「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」では、静かな退職を「やりがいやキャリアアップは求めずに、決められた仕事を淡々とこなすこと」と定義しています。そのうえで、20〜59歳の正社員3,000人に聞いたところ、46.7%が「静かな退職をしている」と答えました。前年の調査より2.2ポイント増えています。
図解:「静かな退職」をしている正社員の割合(マイナビ調査)
出典:マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」(2026年4月13日公表)と、その前年版。
同じ調査では、静かな退職をしている人の73.7%が「今後も続けたい」と答えています。企業の中途採用担当者に聞くと、静かな退職に「賛成」が42.2%、「反対」が30.1%でした。
世界と比べても、日本は仕事への熱意が低い国です。ギャラップの「State of the Global Workplace 2026」によると、仕事に熱意をもって取り組んでいる社員の割合は、日本が8%で、世界平均の20%、東アジア平均の18%を大きく下回っています。
なぜ静かな退職を選ぶのか|よくある理由
- ✅ 頑張っても給料や評価に反映されないと感じる
- ✅ 仕事量が増え続け、これ以上は心身がもたない
- ✅ 上司や職場の人間関係に疲れた
- ✅ 仕事より、家族や趣味の時間を大事にしたい
- ✅ 辞めたいが、転職する気力やお金の余裕がない
最初の4つは「働き方の選び方」の問題ですが、最後の「辞めたいけれど動けない」は少し事情が違います。静かな退職が、本当は辞めたい気持ちの「先延ばし」になっていないかは、一度立ち止まって考えたほうがいいポイントです。
静かな退職でクビになる?|懲戒・評価の考え方
会社が懲戒処分や解雇をするには、客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が必要です(労働契約法15条・16条)。そのため、決められた業務をきちんとこなしているだけなら、それだけで直ちに懲戒や解雇になることは通常ありません。
・上司のはっきりした業務命令を無視したり、拒否したりする
・仕事の遅れや質の低下が目立つ
また、懲戒にならなくても、人事評価が下がり、昇給の見送りや賞与の減額につながることは十分にあります。
静かな退職の「末路」|続けるとどうなる?
| よいこと | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 残業やストレスが減り、心身を守れる | 評価が下がり、昇給・賞与・昇進が止まりやすい |
| 家族や趣味など、仕事以外の時間を確保できる | 新しい経験が減り、スキルが伸びにくい |
| 辞めずに収入を保てる | 転職の面接で「前の職場で何をしたか」を説明しにくくなる |
| 気持ちが離れたまま働くと、かえって疲れがたまることもある |
静かな退職は、上手に使えば自分を守る手段になります。ただし、長く続けるほど、社内での立場も転職市場での評価も下がっていきやすいのが現実です。「いつまで続けるか」を決めておくと、後悔しにくくなります。
静かな退職を続けるか、辞めるか|判断のチェックリスト
- ✅ 朝、会社に行くのがつらい日が週の半分以上ある
- ✅ 眠れない、食欲がないなど、体に不調が出ている
- ✅ 今の会社で「この先こうなりたい」が思い浮かばない
- ✅ 仕事以外に、やってみたいことや行きたい業界がある
- ✅ 今辞めても、3〜6か月は生活できるお金の見通しがある
上の2つに当てはまるなら、まずは休むこと、医療機関に相談することを優先してください。下の3つに当てはまるなら、静かな退職で耐えるより、転職や退職を考えたほうが、長い目で見て自分のためになることが多いです。
辞めたいのに言い出せないとき
静かな退職を選ぶ人の中には、「辞めたいけれど、上司に言い出せない」「引き止められるのが怖い」という人も少なくありません。退職は法律上、労働者の自由です。期間の定めのない雇用なら、退職を申し出てから2週間で辞められます(民法627条)。自分で伝えるのが難しいときは、退職代行を使う方法もあります。
よくある質問
※本記事は2026年10月時点の公表情報(マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2026年(2025年実績)」、Gallup「State of the Global Workplace: 2026 Report」、Merriam-Webster、労働契約法)をもとに作成しています。個別の労働問題は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーや弁護士にご相談ください。





