「退職代行モームリは現在どうなった?」「社長が逮捕されたって本当?」「今使っても大丈夫?」——2025年10月の家宅捜索から、2026年8月の判決、10月の提携弁護士への判決まで、モームリについて検索する人の関心はほぼこの3つに集まっています。
先に結論です。運営会社と前社長らは2026年8月28日に東京地裁で有罪判決(前社長は懲役2年・執行猶予3年、法人は罰金200万円)を受け、サービス自体は現在も継続しています。違法とされたのは「退職の意思を伝える」行為ではなく、利用者を弁護士に紹介して紹介料を受け取っていた行為です。ただし、判決後のモームリは公式サイト・特定商取引法に基づく表記のどこにも労働組合や弁護士による実施の記載がなく、「会社と交渉できない民間業者」として使うことになる点は知っておく必要があります。
「モームリの代わりに、今すぐ頼めるところを知りたい」という方のために、先に当サイトの提携先を載せておきます。民間の退職代行を使う点はモームリと同じでも、労働組合が行うところなら有給や退職日の交渉もできます。くわしい比較は記事の後半にあります。
この記事は、人事・労務として退職代行からの連絡を受ける側に10年いて、退職支援の会社で1,000件以上の相談を受けた立場から、事件の時系列、何が違法だったのか、今のモームリの条件、それでも使うべきか、代わりの選択肢までを整理します。数字はすべて報道か公式表記に出典を付けています。
・罪名は弁護士法違反と組織犯罪処罰法違反。弁護士2人から174人分・280万円余の紹介料
・サービスは継続中。料金は正社員22,000円・アルバイト12,000円(税込)
・特商法表記の運営統括責任者は浜田優花氏。所在地は横浜市に変更
・労働組合・弁護士の記載なし=有給や退職日の交渉はできない
・「伝えるだけでいい人」以外は、労働組合か弁護士の退職代行を
目次
退職代行モームリは現在どうなった?|事件の時系列(2025年10月〜2026年10月)

何が違法だったのか|「退職代行」ではなく「弁護士への紹介料」
判決で認定された内容は、報道によると次のとおりです。
| 項目 | 内容(判決・報道ベース) |
|---|---|
| 罪名 | 弁護士法違反(72条・非弁行為)、組織犯罪処罰法違反 |
| 行為 | 会社との交渉が必要な利用者を弁護士2人に紹介し、1人あたり16,500円の紹介料を受け取っていた |
| 規模 | 2023年6月〜2025年2月の約1年8か月で174人分・280万円余 |
| 偽装 | 紹介料を労働組合への賛助金やアフィリエイト広告の業務委託料の名目で処理(組織犯罪処罰法違反の根拠) |
| 判決 | 前社長 懲役2年・執行猶予3年/妻 懲役1年6月・執行猶予3年/法人 罰金200万円(2026年8月28日 東京地裁) |
弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことに加えて、法律事務の「周旋(紹介・あっせん)」で報酬を得ることも禁じています。モームリが問われたのは後者です。「退職の意思を会社に伝える」こと自体は法律事務ではないというのが業界の一般的な整理で、判決もサービスそのものを違法としたものではありません。
ただ、人事側から見ると本質はこうです。民間の退職代行は、会社に「有給は?退職日は?」と聞かれた瞬間に交渉ができず詰みます。そこで「弁護士を紹介する」という抜け道で回していたのが今回の構図で、民間業者の限界がそのまま事件になった形です。
今のモームリ|料金・運営・条件(特定商取引法に基づく表記から)
2026年9月18日に公式サイトと特定商取引法に基づく表記を確認した内容です。事件前と変わった点に注目してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売業者 | 株式会社アルバトロス |
| 運営統括責任者 | 浜田 優花(特商法表記) |
| 所在地 | 神奈川県横浜市中区本町1丁目5-2(事件当時の報道では東京都品川区) |
| 料金 | 正社員・契約社員 22,000円/アルバイト 12,000円(税込) |
| 後払い | 「モームリあと払い」あり(1か月後まで・手数料3,000円) |
| 支払い方法 | 銀行振込・クレジットカード・あと払い |
| サービス開始 | 料金支払い後、相談により決定 |
| キャンセル | 着手前まで。着手後は返金不可 |
| 返金保証 | 退職できなかった場合のみ全額返金 |
| 対応 | 365日24時間。LINE・電話(フリーダイヤル)・メール・対面相談 |
| 労働組合との提携 | 公式サイト・特商法表記に記載なし |
| 弁護士 | 「顧問弁護士監修」の記載のみ。弁護士が代理する記載はなし |
| 実績 | 累計5万件以上(公式サイトの自己申告) |
今、モームリを使って大丈夫か|元人事の判断
「大丈夫か」を、安全性と実用性に分けて答えます。
安全性|利用者が法的に危険になる話ではない
違法とされたのは会社側の紹介料の受け取りで、利用者の退職の効力や、利用者の責任に関わるものではありません。判決後も営業は続いており、料金や返金条件は特商法表記に明記されています。この意味での「危険」はありません。
実用性|「伝えるだけ」なら使える。交渉が必要なら使えない
問題はこちらです。現在のモームリは、公式表記を見る限り労働組合でも弁護士でもない民間業者です。つまり会社が「有給は認めない」「退職日は来月末にしてほしい」と言ってきても、法的に交渉する立場がありません。
さらに、東京商工リサーチが2026年4月に実施した企業調査では、企業の30.4%が「弁護士・労働組合以外の業者からの連絡には応じない」と回答しています(出典: 東京商工リサーチ)。人事の立場で言えば、この数字は「民間業者からの連絡なら、本人に直接確認すると突き返す会社が3社に1社ある」という意味です。労組・弁護士名義であれば、会社はそう簡単に無視できません。
| あなたの状況 | モームリで足りるか | 理由 |
|---|---|---|
| 退職を伝えるだけでいい。有給は残っていない・こだわらない | ○ 使える | 意思の伝達は民間業者でも有効 |
| 有給を全部使って辞めたい | × 労働組合か弁護士へ | 会社が拒否したときに交渉できない |
| 退職日をずらしたい・引き止めが強い | × 労働組合か弁護士へ | 団体交渉権がないと会社は応じなくてよい |
| 未払い残業代・損害賠償の話がある | × 弁護士へ | 金銭請求の代理は弁護士のみ |
| 会社が「本人以外とは話さない」と言いそう | △ | 労組・弁護士名義のほうが会社は無視しにくい(上記調査) |
人事側から見た「事件後の退職代行」の変化
人事側から見ると、この事件で変わることは2つあります。ひとつは、会社側が退職代行の運営元を確認する理由ができたこと。「弁護士でも労働組合でもない業者には応じず、本人に直接確認する」という対応を取っても、会社側が困ることは基本的にありません。上の調査で3割の企業がそう答えているのは、その表れです。もうひとつは、利用者側の選ぶ基準が「安さ・知名度」から「運営元」に移ること。モームリは料金の安さと知名度で選ばれてきましたが、その前提が崩れました。
つまり今は、労働組合か弁護士が実施している退職代行を選ぶことが、そのまま「会社に無視されない」ことに直結する時期です。2,000〜3,000円の差でここが変わるなら、私は労働組合を勧めます。
モームリ以外の選択肢|労働組合・弁護士が実施する退職代行
当サイトの会社ページで運営元・料金・特商法表記を確認できたものから、交渉ができる労働組合の2つ(男性向け・女性向け)と、法的トラブル向けの弁護士法人です。料金は各社公式サイトの登録値(2026年8〜9月確認)。
| サービス | 運営 | 料金(税込) | 交渉 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 退職代行モームリ | 民間(株式会社アルバトロス) | 22,000円/バイト12,000円 | × | 伝えるだけでいい人 |
| 男の退職代行 | 労働組合 | 21,800円+組合費1,000円 | ○ | 男性。後払い希望 |
| わたしNEXT | 労働組合 | 21,800円+組合費1,000円 | ○ | 女性 |
| 弁護士法人ガイア | 弁護士法人 | 25,300円〜 | ○(請求も可) | 未払い賃金・損害賠償の話がある人 |
よくある質問
まとめ|モームリの「現在」と、これから選ぶ人へ
- ✅ 2026年8月28日、前社長らに有罪判決(執行猶予付き)、法人に罰金200万円。10月7日までに提携弁護士2人も有罪判決。サービスは継続中
- ✅ 違法とされたのは弁護士への紹介料。退職代行そのものが違法とされたわけではない
- ✅ 現在のモームリは労働組合・弁護士の記載がなく、有給・退職日の交渉はできない
- ✅ 企業の30.4%は弁護士・労組以外の業者からの連絡に応じないと回答(東京商工リサーチ 2026年4月)
- ✅ 「伝えるだけ」ならモームリでも足りる。交渉が1つでも必要なら、労働組合か弁護士へ
モームリを調べている方の多くは、「有名だから」「安いから」で候補に入れています。その2つの理由は、事件で両方とも弱くなりました。今の基準は「誰が会社に連絡するのか(労働組合か・弁護士か)」の一点です。上の比較表から、自分の状況に合う運営元を選んでください。

