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退職の手続き

退職後お金がない時にやること|借金の前に使える公的支援7つと相談先【元人事】

退職後、お金がない時にやること

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会社を辞めたあと、次の収入が入るまでの間に、手元のお金が足りなくなる。家賃、国民年金、国民健康保険、住民税の通知は、収入がなくなっても届きます。

こういうとき、まずカードローンやキャッシングを考える人もいますが、その前に使える公的な制度がいくつもあります。この記事では、退職後にお金がないときにやることを「払うお金を減らす」「もらえるお金を確保する」「家賃と生活費を支えてもらう」の順に、厚生労働省・日本年金機構・自治体・社会福祉協議会の案内に沿ってまとめました。

💡 先に結論
・まずは出ていくお金を減らす:国民年金は「退職(失業)の特例免除」、国保は会社都合などなら軽減、住民税は納期限の前に市区町村へ相談
・次に入るお金を確保する:失業保険はハローワークで早めに手続き。失業保険をもらえない人は「求職者支援制度」(訓練を受けながら月10万円)
・家賃が払えないなら住居確保給付金(家賃相当額を原則3か月、最長9か月。大家さんなどに直接支払われる)
・それでも生活費が足りないなら、社会福祉協議会の緊急小口資金(10万円以内・無利子・保証人不要。ただし返済が必要な貸付)
・どうしても生活できないときは、福祉事務所で生活保護の相談を
目次
  1. 退職後お金がないときに使える公的な制度|一覧表
  2. ① 国民年金|退職(失業)による特例免除を申請する
  3. ② 国民健康保険|会社都合なら保険料が軽くなる
  4. ③ 住民税|払えないときは納期限の前に相談する
  5. ④ 失業保険|受け取れる人は早めに手続きする
  6. ⑤ 失業保険をもらえない人|求職者支援制度(月10万円)
  7. ⑥ 家賃が払えない|住居確保給付金
  8. ⑦ 当面の生活費が足りない|社会福祉協議会の緊急小口資金・総合支援資金
  9. それでも生活できないときは|生活保護の相談
  10. やってはいけない|生活費を借金で埋める
  11. 困りごと別の相談先
  12. よくある質問
  13. まとめ|借りる前に「減らす」「もらう」を先に

退職後お金がないときに使える公的な制度|一覧表

まずは全体像です。上から順に、自分が当てはまるものを確認してください。

制度 主に使える人 助かること 窓口
国民年金の退職(失業)特例免除 退職して保険料が払えない人 保険料の免除・納付猶予 市区町村の国民年金窓口・年金事務所
国保の非自発的失業者の軽減 会社都合・雇止めなどで辞めた65歳未満の人 保険料が大きく下がる 市区町村の国保窓口
住民税の猶予・分割の相談 一度に払えない人 猶予(原則1年以内)・延滞金の軽減など 市区町村の税務担当
失業保険(基本手当) 雇用保険に入っていた人 生活費の給付 ハローワーク
求職者支援制度 失業保険をもらえない人 訓練を受けながら月10万円 ハローワーク
住居確保給付金 離職・廃業から原則2年以内で家賃に困っている人 家賃相当額(上限あり) 自立相談支援機関
緊急小口資金・総合支援資金 一時的に生活費が足りない人 無利子などの公的な貸付 市区町村の社会福祉協議会

この表のほかに、どうしても生活が成り立たないときの最後のよりどころとして、生活保護があります(後で説明します)。

① 国民年金|退職(失業)による特例免除を申請する

会社を辞めると、厚生年金から国民年金に切り替わり、保険料を自分で納めることになります。払えないときは、未納のままにせず、免除を申請しましょう。

免除の審査では、ふつうは本人・配偶者・世帯主の所得を見ます。退職(失業)した人は、本人の所得を除外して審査する特例があり、前年の給料が多かった人でも免除を受けやすくなっています(配偶者と世帯主の所得は審査されます)。

項目 内容
必要なもの 離職票など、退職(失業)を証明する書類
申請先 市区町村の国民年金窓口、年金事務所(マイナポータルからの電子申請もできる)
さかのぼれる期間 申請時点から2年1か月前までの期間
免除された期間 年金を受け取るための期間に数えられる。全額免除なら、年金額は納めた場合の2分の1で計算(国庫負担分)
あとで納める 10年以内なら追納できる
⚠ 未納のままにしない
免除も申請もしないまま未納にしておくと、病気やけがで障害が残ったときの障害年金などを受け取れないことがあります。払えないときほど、申請だけは済ませておきましょう。
あわせて読みたい
【退職後の年金】国民年金への切り替えと保険料免除のやり方

出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」「国民年金保険料の追納制度」、杉並区「退職(失業)による保険料の特例免除制度」(2026年5月15日更新)

② 国民健康保険|会社都合なら保険料が軽くなる

国民健康保険の保険料は前年の所得で決まるため、収入がなくなった年でも高くなりがちです。会社都合や雇止めなどで辞めた人は、保険料を大きく下げる軽減があります。

項目 内容
対象 離職日に65歳未満で、雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者の人
離職理由コードの目安 特定受給資格者:11・12・21・22・31・32/特定理由離職者:23・33・34
軽減の中身 前年の給与所得を100分の30とみなして保険料を計算する(給与所得以外は軽減されない)
期間 離職日の翌日の属する月から、その翌年度の末まで
必要なもの 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)、本人確認書類

自己都合で辞めた人はこの軽減の対象外ですが、市区町村によっては、収入が大きく減ったときの独自の減免があります。保険料の通知が来たら、払えないまま放置せず、国保の窓口で相談してください。家族の扶養に入る、会社の健康保険を任意継続するといった選び方もあります。

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退職後の国民健康保険料はいくら?計算方法と非自発的失業者の軽減

出典:新宿区「非自発的失業者の国民健康保険料の軽減」(2025年4月1日更新)

③ 住民税|払えないときは納期限の前に相談する

住民税は前の年の所得にかかるため、退職して収入がなくなっても通知が届きます。退職した月によっては、最後の給料からまとめて引かれる場合もあります。

一度に払うと生活が苦しいときは、納期限の前に市区町村の税務担当へ相談しましょう。地方税には、納付を待ってもらう「徴収猶予」や「換価の猶予」という仕組みがあり、猶予の期間は原則1年以内、猶予中は延滞金も軽くなります(大田区の案内による)。どの制度が使えるかは事情によって違うので、分けて払う相談も含めて、まずは窓口で聞いてみてください。

⚠ 放置しない
通知を放っておくと、督促が来て、最後は財産の差し押さえにつながることがあります。払えないとわかった時点で連絡するのが一番の近道です。
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退職後の住民税|一括徴収と普通徴収の違いと払い方

出典:大田区「納税の猶予制度」(2025年12月11日更新)

④ 失業保険|受け取れる人は早めに手続きする

雇用保険に入っていた人は、ハローワークで手続きをすると失業保険(基本手当)を受け取れます。手続きをした日から数え始めるので、離職票が届いたら早めに行きましょう。

1
離職票を受け取る
会社から届く。届かないときは会社やハローワークに確認する
2
ハローワークで求職の申し込み
離職票、マイナンバーカードなどを持って行く
3
7日間の待期
この間はどの理由で辞めた人も支給されない
4
給付制限(自己都合の場合)
2025年4月から原則1か月。会社都合などは給付制限なし
5
認定日ごとに振り込み
4週間に1回の認定日のあとに振り込まれる
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失業保険はいくらもらえる?計算ツールと早見表
元人事のひとこと|次の仕事は「早めに」が得です ※PR(広告リンク)

失業保険の日数を3分の2以上残して就職すると、残りの70%が再就職手当としてまとめて支給されます(3分の1以上なら60%)。条件を見る。
無料で使える転職の相談先(目安:20代〜30代前半)

⑤ 失業保険をもらえない人|求職者支援制度(月10万円)

雇用保険に入っていなかった、加入期間が足りなかったなどで失業保険をもらえない人は、求職者支援制度を使える場合があります。ハローワークの支援を受けながら無料の職業訓練を受け、条件を満たせば「職業訓練受講給付金」として月10万円と通所手当を受け取れます。

  • ✅ 本人の収入が月8万円以下
  • ✅ 世帯全体の収入が月30万円以下
  • ✅ 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • ✅ 今住んでいるところ以外に土地・建物を持っていない
  • ✅ 訓練にすべて出席する(やむを得ない理由がある場合でも8割以上)
  • ✅ 世帯の中に、同時にこの給付金を受けて訓練を受けている人がいない
  • ✅ 過去3年以内に不正受給がない、過去6年以内にこの給付金を受けていない

訓練の期間は2か月から6か月です。細かい条件は変わることがあるので、最新の内容はハローワークで確認してください。

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ハローワークの職業訓練とは?種類・期間・もらえるお金

出典:厚生労働省・ハローワーク「求職者支援制度のご案内」(LL050401訓01)

⑥ 家賃が払えない|住居確保給付金

仕事を失って家賃が払えないときは、住居確保給付金を相談しましょう。条件を満たせば、自治体が家賃相当額を大家さんなどに直接支払ってくれます。返済の必要はありません。

項目 内容
対象 離職・廃業から原則2年以内(本人の責任によらない休業などで同じくらい収入が減った人も)。主として世帯の生計を支えている人
収入の基準 世帯の月収が「基準額+家賃(上限あり)」未満。例:浜松市の単身は89,000円+家賃(上限37,700円)未満、文京区の単身は92,000円+家賃(上限53,700円)未満
資産の基準 預貯金などが基準額の6倍(100万円が上限)以下。例:浜松市の単身は53.4万円以下
支給額 家賃相当額(自治体ごとに上限あり)
支給期間 原則3か月。条件を満たせば延長で最長9か月
求職活動 ハローワークへの求職申し込み、自立相談支援機関との面談、応募・面接など(浜松市の例:面談は月4回以上、職業相談は月2回、応募・面接は週1回以上)
窓口 市区町村の自立相談支援機関(生活困窮者の相談窓口)

金額の基準は住んでいる自治体によって違います。また、家計を立て直すために家賃の安い住まいへ移る場合に、礼金・仲介手数料・引っ越し費用などを補助する「転居費用補助」がある自治体もあります。まずは窓口で、自分が対象になるかを聞いてみてください。失業保険をもらっている場合も、その額が収入に含まれたうえで基準内なら対象になりえます。

出典:浜松市「住居確保給付金」(2026年7月2日更新)、文京区「住居確保給付金(家賃補助)」「住居確保給付金(転居費用補助)」(2026年7月1日更新)

⑦ 当面の生活費が足りない|社会福祉協議会の緊急小口資金・総合支援資金

一時的に生活費が足りないときは、市区町村の社会福祉協議会が窓口の「生活福祉資金」という公的な貸付があります。

緊急小口資金 総合支援資金(生活支援費)
金額 10万円以内 単身は月15万円以内、2人以上は月20万円以内
期間 一時的 原則3か月(延長で最長12か月)
利子 無利子 連帯保証人ありは無利子、なしは年1.5%
返し始め 貸付から2か月以内の据置のあと 最後の貸付から6か月以内の据置のあと
返す期間 12か月以内 10年以内
保証人 不要 原則必要(なしでも借りられる)
⚠ 借りる前に
これは返す必要がある貸付です。また、自立相談支援機関の支援を受けることが原則として条件になっています。条件や手続きは地域や時期によって変わることがあるので、社会福祉協議会で確認してください。

出典:厚生労働省資料「生活福祉資金貸付制度」(全国社会福祉協議会 地域福祉部)

それでも生活できないときは|生活保護の相談

ここまでの制度を使っても生活が成り立たないときは、住んでいる地域の福祉事務所で生活保護の相談ができます。厚生労働省は「生活保護の申請は国民の権利です」と案内しています。持っている資産や働く力などを活用することが前提になりますが、ためらわずに相談してください。

出典:厚生労働省「生活保護を申請したい方へ」

生活費が足りないとき、借金をせずにできること※PR(広告リンクを含みます)

まずは、この記事で紹介した国民年金の免除や国保の減免など、公的な制度を確認しましょう。そのうえで、手元のお金を増やす・出ていくお金を減らす方法には次のようなものがあります。

サービスの説明は各社の案内によります。買取価格は物の状態などで変わります。乗りかえや切り替えの前に、今の契約の解約金などを確認してください。

やってはいけない|生活費を借金で埋める

収入がない状態で、カードローンやキャッシング、クレジットカードのリボ払いで生活費を埋めると、返す見通しが立たないまま利息が増えていきます。SNSで見かける「個人間融資」や「給料ファクタリング」は、金融庁が注意を呼びかけている危ないものです。まずはこの記事で紹介した公的な制度を、上から順に確認してください。

すでに借金の返済が苦しいときは ※PR(広告リンク)を含みます

すでにある借金の返済で生活が回らないときは、ひとりで抱えずに専門家へ相談しましょう。収入が少ない人は、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談を使える場合があります。任意整理などの債務整理を扱う司法書士事務所の無料相談もあります:【アストレックス司法書士事務所】

困りごと別の相談先

困りごと 相談先
国民年金の保険料が払えない 市区町村の国民年金窓口・年金事務所
国保の保険料が高い・払えない 市区町村の国保窓口
住民税が払えない 市区町村の税務担当(納税課など)
失業保険・職業訓練 ハローワーク
家賃が払えない・生活全体が苦しい 自立相談支援機関(市区町村の生活困窮者の相談窓口)
当面の生活費が足りない 市区町村の社会福祉協議会
生活が成り立たない 福祉事務所
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よくある質問

Q. 失業保険をもらっていても、住居確保給付金は使えますか?
A. 失業保険は収入として数えられます。それを含めた世帯の収入が基準内であれば、対象になりえます。基準は自治体によって違うので、窓口で確認してください。
Q. 自己都合で辞めました。国保の保険料は下がりませんか?
A. 非自発的失業者の軽減(前年の給与所得を100分の30とみなす制度)は、会社都合などの人が対象で、自己都合は対象外です。ただし、市区町村によっては収入が大きく減った人向けの減免があるので、窓口で相談してください。
Q. 国民年金の免除は、過去の分もさかのぼれますか?
A. 申請時点から2年1か月前までの期間なら、さかのぼって申請できます。退職してしばらくたっている人も、まずは申請してください。
Q. 緊急小口資金は返さなくていいお金ですか?
A. いいえ、返済が必要な貸付です。無利子で保証人も不要ですが、借りたあとに返していく必要があります。返済が不要なのは、住居確保給付金や職業訓練受講給付金などの給付です。
Q. どこから手をつければいいかわかりません。
A. まずは市区町村の自立相談支援機関(生活困窮者の相談窓口)に相談すると、住居確保給付金や社会福祉協議会の貸付など、使える制度を一緒に整理してもらえます。国民年金と国保の手続きは、同じ市区町村の窓口で済ませておくと効率的です。

まとめ|借りる前に「減らす」「もらう」を先に

  • ✅ 国民年金は、退職(失業)の特例免除を申請する(未納のままにしない)
  • ✅ 会社都合などで辞めた65歳未満の人は、国保の軽減を申請する
  • ✅ 住民税は、払えないとわかった時点で納期限の前に相談する
  • ✅ 失業保険は、離職票が届いたらすぐハローワークへ。もらえない人は求職者支援制度
  • ✅ 家賃が払えないなら住居確保給付金、当面の生活費は社会福祉協議会へ
  • ✅ カードローン・キャッシング・個人間融資で生活費を埋めない
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海田
この記事を書いた人
海田 次郎
人事5年・労務5年の実務を経て、退職支援会社で退職相談の面談を1,000件以上担当。会社側と辞める側の両方を見てきた経験から、制度は一次情報で確認し、サービスの弱点も含めて正直に書くことを方針にしています。

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