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退職の手続き

企業型確定拠出年金(企業型DC)は退職したらどうする?6か月以内の手続き・自動移換・脱退一時金を元人事が解説

確定拠出年金は退職したらどうする?

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会社で企業型確定拠出年金(企業型DC)に入っていた人が退職すると、そのお金の「移し先」を自分で決める手続きが必要です。手続きを忘れると、資産が自動的に移され、運用されないまま手数料だけが引かれていく状態になります。

この記事では、退職したときの3つの選択肢と、「自動移換」を避けるための期限、脱退一時金を受け取れる条件を、厚生労働省とiDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)の情報をもとに整理します。

💡 先に結論
・退職したら、資格を失ってから6か月以内に、転職先の企業型DCかiDeCoへ移す手続きをする
・手続きしないと国民年金基金連合会へ自動移換。運用されず、手数料がかかり、受給開始が遅れることもある
・お金は原則60歳まで引き出せない。脱退一時金を受け取れるのは、条件を満たすごく一部の人だけ
目次
  1. 退職したらどうする?|3つの選択肢
  2. 6か月以内に手続きしないと「自動移換」
  3. 脱退一時金を受け取れる人|条件はかなり厳しい
  4. 60歳以降に受け取るときの税金
  5. 確定給付企業年金(DB)に入っていた人は
  6. 手続きの流れ(iDeCoへ移す場合)
  7. よくある質問

退職したらどうする?|3つの選択肢

図解:あなたの企業型DCの移し先は?

Q1. 転職先に企業型DCがある?
転職先の人事・総務に確認する
いいえ → iDeCo(個人型)へ移す

↓ はい

Q2. 転職先の企業型DCに、前の会社の資産を移せる?
規約で受け入れているか確認
いいえ → iDeCoへ移すことも検討する

↓ はい

転職先の企業型DCへ移す

無職の間や自営業になった人も、iDeCoへ移せます。iDeCoで掛金を出さずに運用だけを続ける「運用指図者」になることもできます。

移し先 向いている人 ポイント
転職先の企業型DC 転職先にDCがある人 手続きは転職先の会社を通じて行う
iDeCo(加入者) 掛金を出して運用を続けたい人(無職・自営業・会社員) 国民年金を払っていれば、掛金は所得控除になる
iDeCo(運用指図者) 今は掛金を出せないが、運用は続けたい人 掛金は出さず、資産の運用だけを続ける
脱退一時金 下の条件をすべて満たす人だけ 受け取ると老後の資産としては残らない

6か月以内に手続きしないと「自動移換」

退職などで企業型DCの資格を失ってから6か月以内に、移換や脱退一時金の手続きをしないと、資産は現金化されて国民年金基金連合会に自動的に移されます(自動移換)。期限の数え方は案内によって表現が違い、企業年金連合会は「資格を喪失した日の翌月から6か月後の月末まで」としています。余裕をもって、退職後すぐに動きましょう。

自動移換のデメリット(厚生労働省) 内容
資産が運用されない 現金のまま置かれる
手数料がかかる 自動移換されるときの手数料(特定運営管理機関3,300円・国民年金基金連合会1,048円)と、自動移換されている間の管理手数料(月52円)がかかる(iDeCo公式の案内、2026年10月確認)
受給開始が遅れることがある 自動移換中の期間は、老齢給付金を受け取るための通算加入者等期間に入らない
⚠ 手数料は最新の情報を確認
手数料の額は改定されることがあります。最新の金額は、iDeCo公式サイトの「転職・退職時の手続き」で確認してください。

脱退一時金を受け取れる人|条件はかなり厳しい

企業型DCの資産は、原則60歳まで引き出せません。資産が1.5万円を超える人が企業型DCの脱退一時金を受け取るには、次のすべてを満たす必要があります(厚生労働省、2022年5月改正後)。

  • ✅ 企業型DCとiDeCoの加入者・運用指図者でない
  • ✅ 最後に企業型DCの資格を失った日の翌月から6か月を過ぎていない
  • ✅ 60歳未満である
  • ✅ iDeCoに加入できない人である
  • ✅ 日本国籍がある海外居住者(20歳以上60歳未満)でない
  • ✅ 障害給付金の受給権者でない
  • ✅ 掛金を出した期間が5年以内、または資産額が25万円以下である

特に「iDeCoに加入できない人」という条件があるため、国民年金の保険料を払っている人(無職で第1号被保険者になった人を含む)や会社員は、原則として脱退一時金を受け取れません。なお、資産が1.5万円以下の人は、別の、よりゆるい条件で受け取れます。

60歳以降に受け取るときの税金

60歳以降に老齢給付金を一時金で受け取ると、退職所得として扱われ、退職所得控除が使えます。年金として受け取る場合は、公的年金等控除の対象です。会社の退職金と近い時期に受け取ると、退職所得控除の枠を分け合う形になるので、受け取る順番と間隔に注意しましょう。

あわせて読みたい
退職所得控除とは?計算式と勤続年数別の早見表(iDeCoとの10年ルール・19年ルールも)

確定給付企業年金(DB)に入っていた人は

会社の確定給付企業年金(DB)の資産も、iDeCo、企業年金連合会の通算企業年金、転職先の企業型DCやDB(条件あり)へ移せます(厚生労働省)。退職時に会社から届く案内をよく読み、期限内に手続きしましょう。

手続きの流れ(iDeCoへ移す場合)

1
会社から届く書類を確認する
退職後、企業型DCの記録関連運営管理機関などから、資格喪失や手続きの案内が届きます。
2
iDeCoを扱う金融機関を選ぶ
手数料や商品の品ぞろえを比べて選びます。
3
移換の申出書を出す
金融機関から取り寄せた書類に記入して提出します。加入者になるか、運用指図者になるかを選びます。
4
移換が完了したら、運用商品を確認する
移された資産は、いったん現金などで入ることがあるので、運用する商品を選び直します。
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退職後にやることリスト完全版|手続きの順番・期限・必要書類
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よくある質問

Q. もう自動移換されてしまった。どうすればいい?
A. 自動移換された後でも、iDeCoや転職先の企業型DCへ移す手続きができます。移せば運用を再開できるので、気づいた時点で早めに手続きしましょう。
Q. 自分が企業型DCに入っていたかわからない
A. 退職した会社の人事・総務に確認しましょう。会社から加入時の案内や、年1回程度の残高のお知らせが届いていたはずです。
Q. 退職金と企業型DCは別物?
A. 企業型DCは、会社が毎月出した掛金を自分で運用する年金制度で、会社の退職金規程による退職金とは別のものです。会社によっては、退職金制度の一部を企業型DCにしていることがあります。

※本記事は2026年10月時点の厚生労働省(ポータビリティ、2022年改正)、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)、企業年金連合会、国税庁 No.1420の公表情報をもとに作成しています。個別の資産や手続きは、加入していた制度の運営管理機関にご確認ください。

海田
この記事を書いた人
海田 次郎
人事5年・労務5年の実務を経て、退職支援会社で退職相談の面談を1,000件以上担当。会社側と辞める側の両方を見てきた経験から、制度は一次情報で確認し、サービスの弱点も含めて正直に書くことを方針にしています。

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