記事内に広告(PR)を含みます
「パートでも雇用保険に入れる?」「学生のアルバイトは?」「会社が加入させてくれていなかったら?」——雇用保険に入っているかどうかで、辞めたあとに失業保険をもらえるかが決まります。
雇用保険の加入条件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇われる見込みがあることの2つです。パート・アルバイト・派遣といった呼び方や、本人の希望は関係ありません。この記事では、加入できない人、学生や65歳以上の扱い、2028年10月からの適用拡大、加入しているかの確認方法を、厚生労働省とハローワークの資料に沿って整理しました。
・昼間の学生は原則として加入しない(卒業後も同じ会社で働く人、休学中の人、定時制・夜間の人などは例外)
・65歳以上も加入できる。2つの職場を合わせて週20時間以上なら、申し出て加入できる制度もある
・2028年10月1日から、週10時間以上に加入の対象が広がる
・会社が手続きしていなかったら、ハローワークで確認を請求できる。さかのぼれるのは原則2年
目次
雇用保険の加入条件は「週20時間以上」と「31日以上の雇用見込み」
雇用保険は、会社に雇われて働く人が、次の2つを両方満たすと加入する制度です。厚生労働省は、「常用・パート・アルバイト・派遣等、名称や雇用形態にかかわらず」加入の対象になると案内しています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 週の所定労働時間が20時間以上 | 契約で決まっている1週間の労働時間で判断する(残業時間は含めない) |
| ② 31日以上の雇用見込みがある | 期間の定めがない契約や、31日以上の契約はもちろん、短い契約でも更新される見込みがあれば当てはまる |
図解:あなたは雇用保険に入る?(2026年10月時点)
個人事業主・フリーランスとして仕事を受けている人は「いいえ」
↓ はい
雇用契約書・労働条件通知書の「所定労働時間」を見る
↓ はい
1か月以内の契約でも、更新されることがあるなら「はい」
↓ はい
卒業後も同じ会社で働く予定の人・休学中の人・定時制や夜間の人は「はい」
↓ はい
雇用保険法4条・6条、厚生労働省「雇用保険制度の概要」をもとに作成。最終的な判断はハローワークが行います。
「31日以上の雇用見込み」の判断例
| 契約の内容 | 判断 |
|---|---|
| 期間の定めがない | 加入する |
| 1か月契約で、更新されることがある | 加入する(雇い入れたときから) |
| 25日の契約で、更新するとは書いていないが、同じ契約の人が更新されて31日以上働いた例がある | 31日以上の見込みありと判断できる |
| 25日の契約で、「更新しない」と明示されている | 見込みなし(加入しない) |
出典:厚生労働省「雇用保険事務手続きの手引き」第4章
試用期間・派遣・契約社員も同じ条件
試用期間中でも、条件を満たしていれば加入します。派遣社員は派遣元(派遣会社)で、契約社員・パート・アルバイトも、上の2つの条件を満たせば加入します。
副業・掛け持ちの場合
65歳未満の人が2つ以上の会社で働いている場合、加入するのは主な収入を得ている1つの会社だけです。2つの会社で同時に加入することはできません。また、2つの会社の労働時間を合計して「週20時間以上」にすることも、65歳未満ではできません。
雇用保険に加入できない人
雇用保険法6条は、次の人を雇用保険の対象から外しています(2026年10月時点の条文の要旨)。
| 対象外になる人 | 補足 |
|---|---|
| 週の所定労働時間が20時間未満の人 | 65歳以上で、2つの職場の合計で申し出て加入する人などは除く |
| 31日以上雇われる見込みがない人 | 前の2か月に各月18日以上雇われた人などは除く |
| 季節的に雇われる人のうち、4か月以内の契約か、週30時間未満の人 | — |
| 昼間の学生・生徒 | 卒業後も同じ会社で働く予定の人、休学中の人、定時制の人などは除く |
| 漁船に乗り組む船員 | 1年を通じて雇われる人は除く |
| 国や自治体に雇われる人の一部 | 退職するときにもらえる給与が、失業保険などより多い人など |
会社の役員・個人事業主・同居の家族
| 立場 | 扱い |
|---|---|
| 社長などの代表者 | 加入しない |
| 取締役などの役員 | 原則として加入しない。部長などを兼ねていて、労働者としての性格が強い場合は加入することがある |
| 個人事業主(フリーランス)本人 | 雇われている人の制度なので、事業主本人は対象外と考えられる |
| 事業主と同居している家族 | 原則として加入しない。ほかの社員と同じように働いていて、一定の条件を満たす場合は例外 |
公務員
国家公務員や、自治体の長が申請して承認を受けた地方公務員などは、雇用保険の対象外です。辞めたときの保障は、失業保険ではなく退職手当の制度で考えられています。ただし、非常勤の職員などは扱いが個別に違うので、勤め先に確認してください。
学生のアルバイトは雇用保険に入る?
昼間に学校に通っている学生は、週20時間以上働いていても、原則として雇用保険に加入しません(雇用保険法6条4号)。ただし、次の人は例外として加入します。
| 加入する学生 | 補足 |
|---|---|
| 卒業見込みで、卒業後も同じ会社で働く予定の人 | 卒業見込証明書などで確認される |
| 休学中の人 | 休学していることがわかる書類が必要 |
| 定時制の課程や、夜間の学部・学校に通う人 | そもそも「昼間の学生」に当たらない |
| 通信教育の学生 | 同上 |
| 会社の命令や承認を受けて、在職したまま大学院などに通う人 | — |
出典:雇用保険法施行規則3条の2、愛知労働局「雇用保険の適用」資料、東京ハローワークQ&A
65歳以上の雇用保険|高年齢被保険者とマルチジョブホルダー制度
2017年1月から、65歳以上で新しく雇われた人も雇用保険に加入するようになりました。65歳以上の加入者は「高年齢被保険者」と呼ばれます。辞めたときは、失業保険(基本手当)の代わりに、一時金の高年齢求職者給付金(加入1年未満は30日分、1年以上は50日分)を受け取ります。
マルチジョブホルダー制度(2022年1月から)
65歳以上の人は、2つの職場の労働時間を合計して週20時間以上になる場合、自分でハローワークに申し出て雇用保険に加入できます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 65歳以上 |
| 働き方 | 2つ以上の会社に雇われていて、1つの会社では週20時間未満 |
| 合計の時間 | 2つの会社(それぞれ週5時間以上20時間未満)の合計が週20時間以上 |
| 雇用の見込み | それぞれの会社で31日以上雇われる見込みがある |
申し出るのは本人で、住所を管轄するハローワークに出します(郵送や代理人による手続きもできます)。申し出た日から加入となり、自分の都合で途中で抜けることはできません。会社は、本人から手続きに必要な書類の記入を頼まれたら、必ず対応しなければならず、加入を理由に解雇などの不利益な扱いをすることも禁止されています。
出典:厚生労働省「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」「同Q&A」
【2028年10月から】週10時間以上に加入の対象が広がる
2024年に成立した改正雇用保険法により、2028年(令和10年)10月1日から、週の所定労働時間が10時間以上の人が雇用保険の加入対象になります。
| 項目 | 今(2026年10月時点) | 2028年10月1日から |
|---|---|---|
| 加入の基準 | 週20時間以上 | 週10時間以上 |
| 被保険者期間の1か月の数え方 | 賃金の支払いの基礎になった日が11日以上の月(足りない場合は80時間以上の月) | 6日以上の月(足りない場合は40時間以上の月) |
| 新しく加入した人の給付 | — | 失業保険・教育訓練給付・育児休業給付など、今の加入者と同じ |
出典:厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(令和6年法律第26号)の概要」、施行通達(令和6年5月17日)
自分が雇用保険に加入しているか確認する方法
| 方法 | やり方 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者証を見る | 加入したときに会社から渡される(会社が保管していることもある)。会社に確認するのがいちばん早い |
| ハローワークに照会する | 「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」をハローワークに出す。本人が窓口に行くか、郵送か、代理人(委任状が必要)。電話では照会できない |
| マイナポータルで見る | マイナンバーカードでログインして、雇用保険の加入記録を確認できる。ただし、マイナンバーがハローワークに届け出られている必要がある |
給与明細の控除欄に「雇用保険料」が引かれていれば、加入している可能性が高いといえます。ただし、それだけでは手続きが済んでいるとは言い切れないので、心配なら上の方法で確認してください。
会社が加入の手続きをしていなかったら
条件を満たしているのに加入していなかった場合は、ハローワークに「確認の請求」ができます。雇用保険法8条は、被保険者や被保険者だった人は「いつでも」確認を請求できると定めています。請求は書面でも口頭でもでき、給与明細などの証拠があれば持って行きます。
| さかのぼれる期間 | 条件 |
|---|---|
| 原則:確認された日の2年前まで | — |
| 2年より前まで | 会社が加入の届出をしておらず、給与明細などで雇用保険料が給料から引かれていたことが明らかな場合(届出がされていないことを本人が知っていた場合を除く)。引かれていたことがわかる最も古い時期までさかのぼれる |
辞めたあとに「加入していなかった」とわかると、失業保険を受け取れなかったり、日数が少なくなったりします。給与明細は捨てずに保管しておきましょう。
2026年度の雇用保険料率(本人負担分)
| 事業の種類 | 労働者の負担 | 会社の負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 5/1,000 | 8.5/1,000 | 13.5/1,000 |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 6/1,000 | 9.5/1,000 | 15.5/1,000 |
| 建設の事業 | 6/1,000 | 10.5/1,000 | 16.5/1,000 |
2026年4月1日〜2027年3月31日の料率です。一般の事業なら、月給20万円の人の雇用保険料(本人負担)は1,000円です。2025年度より、本人の負担は1,000分の0.5下がりました。
出典:厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率について」
失業保険をもらうには、どれくらい加入していればいい?
| 辞め方 | 必要な加入期間 |
|---|---|
| 自己都合など | 辞めた日以前の2年間に、被保険者期間が通算12か月以上 |
| 会社都合(特定受給資格者)・特定理由離職者 | 辞めた日以前の1年間に、被保険者期間が通算6か月以上 |
被保険者期間は、辞めた日から1か月ごとに区切って、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上ある月を1か月と数えます。11日以上の月が足りない場合に限り、80時間以上働いた月も1か月と数えます。病気などで30日以上給料が出なかった期間がある人は、その分だけ「2年間」「1年間」を延ばせます(最長4年)。
| 料金 | 失業手当サポート:前払い298,000円/後払い398,000円(契約時に保証金5万円) 失業手当+傷病手当サポート:前払い440,000円/後払い550,000円(保証金10万円) |
|---|---|
| 特徴 | LINEで受給できる見込みを無料診断し、オンラインで相談。来社不要で全国から使える。 |
| 注意 | 公式ページには「受給できなければ全額返金」とある一方、特定商取引法の表記には「当社の故意又は重過失を除き、キャンセル・返金はできない」と書かれています。返金の条件は契約前に必ず書面で確認してください。 |
| 料金 | 一括払い160,000円/分割払い220,000円/後払い280,000円(初期費用0円・退職日の2か月後から全8回) |
|---|---|
| 特徴 | 給付金の申請サポートに加えて、退職代行や転職までまとめて相談できる。料金をプランごとに公開している。 |
| 注意 | 料金は受給額の何%ではなく固定。受け取れる見込み額が小さいと、費用のほうが大きくなることがあります。 |
| 料金 | 公式サイトでは公開されていません。当サイト運営者が把握している範囲では30万円前後が目安(無料相談のあと、受給見込みに合わせて案内される形式) |
|---|---|
| 特徴 | 社会保険労務士事務所の監修。傷病手当金・失業手当・再就職手当の組み合わせを相談できる。 |
| 注意 | 目安の金額は契約内容で変わります。無料相談で「総額」「支払う時期」「申し込み後にやめた場合・受給できなかった場合の返金」を必ず書面で確認してください。 |
よくある質問
まとめ|週20時間・31日以上なら加入。給与明細は保管を
- ✅ 加入条件は週20時間以上・31日以上の雇用見込み。雇用形態や本人の希望は関係ない
- ✅ 昼間の学生は原則対象外。卒業後も同じ会社・休学中・定時制などは例外
- ✅ 65歳以上も加入。2つの職場の合計で加入できる制度もある
- ✅ 2028年10月1日から週10時間以上に対象が広がる
- ✅ 加入しているかは、会社・ハローワーク・マイナポータルで確認できる
- ✅ 加入漏れは原則2年さかのぼれる。保険料が引かれていた証拠があればそれ以上
失業保険の受給条件は3つ|自己都合・バイト・入社1年未満は?給付日数表つき加入していても、失業保険をもらうには加入期間などの条件があります。
―失業保険がもらえない人・対象外のケースを図で診断―雇用保険被保険者証とは?―高年齢求職者給付金とは?65歳以上の失業保険



