記事内に広告(PR)を含みます
「公務員だけど、もう職場に行けない。退職代行って使えるの?」「民間の会社と同じように、頼めば次の日から辞められる?」。公務員の方からも、こうした相談はあります。
先に結論を書くと、公務員でも退職代行を使うことはできます。ただし、公務員の退職は民間の会社と仕組みが違うため、どの運営元に頼むかと辞める前の準備がとても大切です。この記事では、人事・労務の仕事を10年してきた立場から、公務員が退職代行を使うときに知っておきたいことを、法律の条文を確認しながら整理します。
・労働組合の退職代行が強みにする「団体交渉」は労働組合法が根拠。公務員には労働組合法が原則として適用されない(国家公務員法附則6条、地方公務員法58条)
・民間企業の退職代行は「伝える」だけ。手続きまで任せたいなら、代理人になれる弁護士が確実
・公務員は原則として雇用保険(失業保険)の対象外(雇用保険法6条6号)。退職手当のしくみを先に確認
・自衛官は、任務に著しい支障があると承認が一定期間保留されることがある(自衛隊法40条)
目次
公務員でも退職代行は使える?運営元ごとの違い
退職代行は、運営元によってできることが違います。公務員の場合は、民間の会社以上にこの違いが大きくなります。
| 運営元 | できること | 公務員の場合の注意点 |
|---|---|---|
| 民間企業 | 本人の退職の意思を職場に伝える | 伝えることしかできない。辞職願の提出や承認の手続きは自分で進める必要がある |
| 労働組合 | 退職の意思を伝える、団体交渉で話し合う | 団体交渉の根拠である労働組合法は、公務員には原則として適用されない。公務員に対応しているか必ず確認 |
| 弁護士 | 本人の代理人として職場とやりとり、交渉・請求 | 代理人として手続きの相談やトラブルにも対応できる。依頼前に公務員の対応可否を確認 |
出典:e-Gov法令検索「国家公務員法」附則第6条、「地方公務員法」第58条第1項(労働組合法などの規定は職員に適用しない)
公務員の退職が民間の会社と違う3つのポイント
① 退職は「承認」で決まる
民間の会社で期間の定めのない雇用なら、退職を申し出てから2週間で雇用は終わります(民法627条)。一方、公務員の退職(辞職)は、本人が辞職願を出し、任命権者(所属の長など)が承認して辞令が出る、という流れで進むのが一般的です。そのため、民間と同じように「伝えたら2週間で自動的に辞められる」とは考えないほうが安全です。
自衛官の場合は、退職の申出を承認すると自衛隊の任務の遂行に著しい支障があると認められるとき、一定の期間、承認しないことができると定められています(自衛隊法40条)。
出典:e-Gov法令検索「民法」第627条第1項、「自衛隊法」第40条
② 労働組合法が原則として適用されない
労働組合の退職代行は、「団体交渉」として有給休暇や退職日を話し合えることを強みにしています。この団体交渉は労働組合法にもとづく仕組みですが、国家公務員にも地方公務員にも、労働組合法は原則として適用されません。公務員には「職員団体」という別の仕組みがあります。公務員の方が労働組合の退職代行を検討するときは、公務員の依頼に対応しているか、何ができるのかを申し込み前に確認しましょう。
出典:e-Gov法令検索「国家公務員法」附則第6条、「地方公務員法」第58条第1項、人事院「職員団体」の解説
③ 失業保険(雇用保険)が原則としてない
国や都道府県、市町村などに勤める人のうち、辞めたときに受け取る給与(退職手当など)が失業保険の給付を上回ると認められる人は、雇用保険の対象外です(雇用保険法6条6号)。国家公務員は一部を除いて雇用保険の適用除外とされ、退職手当の額が雇用保険の失業給付に相当する額に届かない場合などに、その差額を「失業者の退職手当」として支給するしくみがあります。
民間の会社に勤めていた人のように「辞めたら失業保険で生活をつなぐ」とはいかないことが多いため、退職手当の見込みと、次の仕事までのお金を先に確認しておきましょう。
出典:e-Gov法令検索「雇用保険法」第6条第6号、厚生労働省「国家公務員退職手当(失業者の退職手当)支給要領」
退職代行を使う前に準備しておくこと
- ✅ 辞職願の様式を確認する(所属によって決まった様式があることが多い)
- ✅ 退職したい日と、残っている年次休暇(年休)の日数を確認する
- ✅ 職員証・鍵・制服・パソコンなど、返す物を一覧にしておく
- ✅ 共済組合の組合員証(保険証)の返し方と、退職後の健康保険(任意継続・国民健康保険・家族の扶養)を確認する
- ✅ 退職手当の見込み額と、受け取れる時期を確認する
- ✅ 無断欠勤にならないよう、休む連絡だけは入れておく(退職代行に頼む場合も、連絡が途切れない状態を作る)
人事の立場から言うと、公務員の退職でいちばん困るのは「連絡がつかないまま出勤しない」状態です。退職代行を使う場合でも、辞職願をいつ・どう出すか、年休をどう使うかを先に決めておくと、手続きがぐっと進めやすくなります。
公務員が頼むなら:弁護士の退職代行
PR:以下は当サイトの提携先です。運営元・料金は公式サイトで確認しています(2026年9〜10月)。
職場とのやりとりを任せたい・トラブルが心配 → 弁護士法人ガイア
弁護士は本人の代理人として職場とやりとりできるため、承認の手続きが進まない、引き止めが強い、といった場面でも相談しやすいのが特長です。料金は、公務員は55,000円プラン(アフターフォロー完備)から、自衛隊員は77,000円プランが対象です(25,300円プランは公務員は選べません。公式サイトの料金表で2026年10月25日に確認)。公務員の依頼に対応しているかは、相談の段階で必ず確認してください。
よくある質問
まとめ|公務員は「承認」「団体交渉」「失業保険」の3つの違いを押さえる
- ✅ 公務員でも退職代行は使える。ただし退職は辞職願と任命権者の承認で進むのが一般的
- ✅ 労働組合法は公務員に原則適用されないため、労働組合の退職代行は対応可否を確認
- ✅ 手続きまで任せたいなら、代理人になれる弁護士の退職代行が確実
- ✅ 失業保険は原則として対象外。退職手当と次の仕事までのお金を先に確認する



