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退職して国民健康保険(国保)に入ることになったけれど、保険料がいくらになるのか見当がつかない——国保の保険料は、住んでいる市区町村と前年の所得で決まるため、会社員のときの保険料とはまったく違う計算になります。
この記事では、国保料の計算のしくみを、東京都新宿区の令和8年度の保険料率を使った計算例で説明します。あわせて、会社都合などで辞めた人の保険料を大きく下げる「非自発的失業者の軽減」も紹介します。
・前年の所得で計算するので、退職直後はいちばん高くなりやすい
・会社都合などで辞めた65歳未満の人は、前年の給与所得を30%とみなして計算する軽減がある
国保料の計算のしくみ|新宿区の令和8年度の例
国保料は、所得に応じた部分と、人数に応じた部分を足して計算します。計算方法と料率は自治体の条例で決まるので、市区町村ごとに違います。新宿区では、前年(令和7年)の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた「算定基礎額」に、次の料率をかけます。
| 区分 | 所得割率 | 均等割額(1人あたり) | 上限 |
|---|---|---|---|
| 基礎分(医療分) | 7.51% | 47,600円 | 67万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 2.80% | 17,600円 | 26万円 |
| 介護分(40〜64歳の人だけ) | 2.43% | 17,800円 | 17万円 |
| 子ども・子育て支援金分(令和8年度から) | 0.27% | 1,873円(18歳以上) | 3万円 |
令和8年度からは、国の「子ども・子育て支援金」の負担が国保料にも上乗せされています。
図解:国保料の計算の流れ(新宿区の場合)
前年の所得から計算する
=給与所得基礎控除43万円を引く
=算定基礎額所得割率をかける
+均等割を足す年間の国保料
加入した月数分
年度の途中で国保に加入した場合は、加入した月の分から計算されます。
計算例|年収400万円で退職した30歳・単身の場合
2025年の給与収入が400万円の人が、2026年度に新宿区で国保に1年間加入した場合の概算です(30歳なので介護分はかかりません)。
| 計算 | 何も申請しない場合 | 非自発的失業者の軽減が認められた場合 |
|---|---|---|
| 給与所得(収入400万円−給与所得控除124万円) | 276万円 | 276万円 × 30% = 82.8万円 |
| 算定基礎額(−基礎控除43万円) | 233万円 | 39.8万円 |
| 基礎分 | 222,583円 | 77,489円 |
| 後期高齢者支援金分 | 82,840円 | 28,744円 |
| 子ども・子育て支援金分 | 8,164円 | 2,947円 |
| 年間の国保料 | 約31.4万円(月約2.6万円) | 約10.9万円(月約0.9万円) |
図解:軽減を受けると、年間の国保料はここまで下がる
何も申請しない場合 非自発的失業者の軽減が認められた場合
金額は概算です。実際の保険料は、住んでいる自治体の料率、加入した月数、家族の人数で変わります。
非自発的失業者の軽減|対象と申請方法
| 項目 | 内容(新宿区の案内) |
|---|---|
| 対象 | 離職日に65歳未満で、雇用保険の「特定受給資格者」(倒産・解雇など)か「特定理由離職者」(雇止め、正当な理由のある自己都合など)と認められた人 |
| 軽減の内容 | 本人の前年の給与所得を100分の30として保険料を計算する(給与所得以外の所得は軽減されない) |
| 期間 | 離職日の翌日が属する月から、その翌年度の末まで |
| 必要なもの | 雇用保険受給資格者証(または受給資格通知)、本人確認書類、マイナンバーがわかる書類 |
| 申請先 | 住んでいる市区町村の国保の窓口(郵送できる自治体もある) |
国保と任意継続、どっちが安い?
協会けんぽの任意継続は、退職時の保険料の約2倍(会社が負担していた分も自分で払う)ですが、計算に使う標準報酬月額には上限(令和8年度は32万円)があります。前年の収入が高い人は、国保より任意継続のほうが安くなることがあります。一方、軽減が使える人は、国保のほうが安くなることが多いです。両方の金額を出して比べましょう。



