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「失業保険をもらっている途中で就職が決まったら、残りはどうなる?」「早く就職すると損?」——そんなときに知っておきたいのが再就職手当です。
再就職手当は、失業保険(基本手当)の日数を残して早めに就職した人に、残りの日数の60%または70%をまとめて支給する制度です。この記事では、ハローワークの最新リーフレット(2026年8月版)と雇用保険法・施行規則に沿って、条件・金額・申請の流れを整理しました。
・計算に使う基本手当日額には上限がある(2026年8月1日〜2027年7月31日は60歳未満6,745円・60〜64歳5,454円)
・条件は8つ。「1年を超えて働くことが確実」「待期7日の後の就職」「自己都合で給付制限がある人は最初の1か月はハローワーク等の紹介」などに注意
・申請期限は就職した日の翌日から1か月以内(過ぎても時効2年の間は申請できる)
・就職後6か月働いて給料が下がった人は就業促進定着手当も対象になりうる
目次
再就職手当とは|失業保険を残して就職するともらえるお金
再就職手当は、雇用保険の「就業促進手当」の一つです(雇用保険法56条の3)。失業保険(基本手当)を受けられる人が、所定給付日数を一定以上残して安定した職業に就いたときに支給されます。
早く就職するほど残日数が多くなり、もらえる額も大きくなります。「失業保険を最後までもらってから就職したほうが得」と思われがちですが、再就職手当があるので、早く就職しても失業保険の大部分を受け取れる仕組みになっています。
再就職手当がもらえる8つの条件
ハローワークのリーフレットでは、次の8つをすべて満たすことが条件とされています。
| 条件 | ポイント |
|---|---|
| ① 待期7日間が終わった後の就職 | 受給手続き後、失業の状態の7日間(待期)が満了してからの就職・開業であること |
| ② 支給残日数が3分の1以上 | 就職日の前日までに失業の認定を受け、残日数が所定給付日数の3分の1以上あること |
| ③ 前の会社への再就職ではない | 離職前の会社や、資本・資金・人事・取引で密接な関わりがある会社への再就職は対象外 |
| ④ 給付制限がある人は最初の1か月は紹介が必要 | 待期満了後1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職であること |
| ⑤ 1年を超えて働くことが確実 | 1年以下の契約でも、1年を超えて更新されることが確実と認められれば対象になりうる |
| ⑥ 原則として雇用保険の被保険者になる | 目安は週20時間以上・31日以上の雇用見込み |
| ⑦ 過去3年以内に受けていない | 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていないこと(開業で受けた場合も含む) |
| ⑧ 求職申込みの前から内定していた会社ではない | 受給資格決定(求職申込み)の前から採用が決まっていた会社への就職は対象外 |
出典:ハローワーク「再就職手当のご案内」(LL080801保02)、雇用保険法56条の3、同施行規則82条・82条の2・82条の4
いくらもらえる?計算式と早見表
再就職手当の額は、次の式で計算します(1円未満切り捨て)。
| 支給残日数 | 計算式 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 支給残日数 × 基本手当日額 × 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 支給残日数 × 基本手当日額 × 60% |
何日残っていれば60%・70%になる?
| 所定給付日数 | 60%になる残日数 | 70%になる残日数 |
|---|---|---|
| 90日 | 30日以上 | 60日以上 |
| 120日 | 40日以上 | 80日以上 |
| 150日 | 50日以上 | 100日以上 |
| 180日 | 60日以上 | 120日以上 |
| 270日 | 90日以上 | 180日以上 |
| 330日 | 110日以上 | 220日以上 |
| 360日 | 120日以上 | 240日以上 |
計算に使う基本手当日額には上限がある
基本手当日額が高い人でも、再就職手当の計算では次の上限が使われます。この上限は毎年8月1日に見直しされます。
| 離職時の年齢 | 上限(2026年8月1日〜2027年7月31日) |
|---|---|
| 60歳未満 | 6,745円 |
| 60歳以上65歳未満 | 5,454円 |
出典:ハローワーク「再就職手当のご案内」(LL080801保02)、ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
なお、失業保険そのものの基本手当日額の上限(2026年8月以降、30歳未満7,450円〜45歳以上60歳未満9,110円)とは別の数字なので、混同しないようにしてください。
計算例
| ケース | 計算 | 再就職手当 |
|---|---|---|
| 基本手当日額4,000円・所定90日・給付制限中に就職(残90日) | 4,000円×90日×70% | 252,000円 |
| 基本手当日額4,000円・所定270日・50日目に就職(残228日) | 4,000円×228日×70% | 638,400円 |
| 基本手当日額4,000円・所定270日・100日目に就職(残178日) | 4,000円×178日×60% | 427,200円 |
| 59歳以下で基本手当日額が上限を超える人・所定90日・残90日 | 6,745円×90日×70% | 424,935円 |
上の3例はハローワークのリーフレットの計算例。4例目は上限額を使った試算です。
自分の基本手当日額と所定給付日数は、雇用保険受給資格者証に書かれています。
自己都合で辞めた人の「最初の1か月」ルール
自己都合退職などで給付制限がある人は、待期満了後の1か月間に就職する場合、ハローワークか職業紹介事業者(許可・届出のある転職エージェントなど)の紹介で就職したときだけ再就職手当の対象になります。この1か月の間に、求人サイトから直接応募して決まった就職は対象外です。
1か月を過ぎた後は、知人の紹介や求人広告への応募など、どの経路で決まった就職でも対象になります。給付制限がない人(会社都合など)は、待期が終わっていれば経路は問われません。
パート・契約社員・派遣・自営業でももらえる?
| 働き方 | 扱い |
|---|---|
| パート・アルバイト | 雇用保険に入る働き方(週20時間以上・31日以上の見込み)で、1年を超えて働くことが確実なら対象になりうる |
| 契約社員 | 1年以下の契約でも、1年を超えて更新されることが確実と認められれば対象になりうる |
| 派遣 | 雇用期間が決まっていて、更新が見込まれない場合は対象外(リーフレットに明記) |
| 自営業(開業) | 待期の後に事業を始め、その事業で自立できるとハローワークが認めた場合に対象。登記事項証明書など開業を証明する書類が必要 |
自営業の場合は、事業の実態の確認を経て支給・不支給が決まります。開業日と給付制限の関係など判断が分かれやすいので、開業前に受給しているハローワークに相談しておくのが確実です。
開業した人は、開業した年の分から確定申告が必要になります。帳簿づけを最初から会計ソフトで始めておくと、申告の時期に慌てずにすみます。マネーフォワード クラウド確定申告は、無料で会員登録できるクラウド型の確定申告ソフトです(広告主の説明より)。
失業保険の日数を3分の2以上残して就職すると、残りの70%が再就職手当としてまとめて支給されます(3分の1以上なら60%)。
無料で使える転職の相談先(目安:20代〜30代前半)
- 未経験から正社員を目指す20代:
ツナグバ
- 短期離職・第二新卒:
シキリナオシ転職
- 自己分析からやり直したい(国家資格キャリアコンサルタントが対応):
【Mystyle転職】
- 年収や市場価値を上げたい:
REFLAME(リフレーム)
- どのエージェントがいいか迷う(18〜35歳・東京/神奈川/埼玉/千葉/大阪/愛知/福岡):
マイエージェント
申請の流れと必要書類
| 開業した場合に必要なもの |
|---|
| 受給資格者証 |
| 登記事項証明書など、事業を開始したことを証明できる書類(開業届の写し、業務委託契約書、営業許可証などを求められることがある) |
申請期限を過ぎてしまったら
申請期限は就職日の翌日から1か月以内ですが、厚生労働省は、期限を過ぎても時効(2年)が完成するまでは申請できると案内しています(雇用保険法74条)。再就職手当の時効は、安定した職業に就いた日の翌日から数えます。ただし、期限内に申請しないと支給が遅れる場合があるので、できるだけ期限内に出しましょう。
いつ振り込まれる?
全国共通の決まった日数はありません。ハローワーク渋谷は「書類受理後、入金まで1か月程度」、札幌のハローワークは「申請から入金まで、おおむね1か月半〜2か月程度」と案内しています。目安として、申請から1〜2か月程度みておくと安心です。
審査の状況は、本人確認書類を持って窓口で確認できます。電話での問い合わせには応じていないハローワークもあります。
就業促進定着手当|再就職後に給料が下がった人へ
再就職手当を受けた人が、同じ会社で6か月以上働き、その6か月の給料が前の会社より下がった場合は、就業促進定着手当を受けられる可能性があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | 再就職手当を受けた/同じ会社に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されている/再就職後6か月間の賃金の1日分が、離職前の賃金日額を下回る |
| 計算 | (離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分)× 再就職後6か月間の賃金の支払基礎日数 |
| 上限 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%(2025年4月以降に再就職した人) |
| 申請期限 | 再就職から6か月たった日の翌日から2か月間 |
| 対象外 | 事業を開始して再就職手当を受けた人 |
申請書は、再就職手当の支給決定通知と一緒に郵送されてきます。6か月分の出勤簿と給与明細(または賃金台帳)の写しを用意しておきましょう。
2025年4月の改正で変わったこと
| 項目 | 改正後(2025年4月1日〜) |
|---|---|
| 自己都合退職の給付制限 | 原則2か月 → 原則1か月(過去5年間に正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格決定を受けた人や重責解雇は3か月) |
| 教育訓練による給付制限の解除 | 教育訓練給付の対象講座などを受けると、自己都合退職の給付制限が解除される |
| 就業手当 | 廃止(パートなど安定した職業以外に就いたときの手当) |
| 就業促進定着手当の上限 | 支給残日数の40%(再就職手当が70%の人は30%)→ 20% |
出典:厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律の概要」、同Q&A
再就職手当をもらった後に、また辞めたら?
再就職先をすぐに辞めてしまった場合でも、受給期間(原則、離職日の翌日から1年)が残っていれば、再就職手当として支給した分を除いた残りの日数の失業保険を受けられる可能性があります。手続きは、受給資格者証と、新しい離職票などを持ってハローワークで再び求職の申込みをします。
再就職先で12か月以上(解雇・倒産などは6か月以上)働いていれば、新しい受給資格で受給することになります。
早く就職するのと、失業保険を最後までもらうのはどっちが得?
失業保険だけを見れば、最後まで受け取るほうが総額は多くなります。ただ、早く就職すれば給料が入り、さらに再就職手当で残日数の60〜70%を受け取れます。多くの場合、収入の合計は早く就職したほうが多くなります。
具体的な損得は、基本手当日額・次の会社の給料・就職のタイミングで変わります。1か月だけもらって就職した場合の比較は、こちらで詳しく計算しています。
転職エージェント(有料職業紹介事業者)は、求職者は原則無料で利用できます(職業安定法で、求職者から手数料を取ることは原則禁止されています)。
また、自己都合退職などで給付制限がある人が待期満了後の1か月以内に就職を決める場合、再就職手当の対象になるのはハローワークか職業紹介事業者の紹介で決まった就職だけです。エージェントからの紹介はこの条件を満たします(ほかの支給要件も満たす必要があります)。
紹介される求人や結果は人によって異なります。応募するかどうかは自分で決められます。35歳以上の人や地元の求人中心で探したい人は、ハローワークの職業相談もあわせて使うのがおすすめです。
よくある質問
まとめ|就職が決まったら、まずハローワークに申告を
- ✅ 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上で60%、3分の2以上で70%
- ✅ 計算に使う基本手当日額の上限は60歳未満6,745円・60〜64歳5,454円(2027年7月31日まで)
- ✅ 前の会社への再就職、求職申込み前からの内定先は対象外
- ✅ 自己都合で給付制限がある人は、最初の1か月はハローワーク等の紹介での就職に限る
- ✅ 申請は就職日の翌日から1か月以内。過ぎても時効2年の間は申請できる
- ✅ 6か月働いて給料が下がったら、就業促進定着手当も確認
失業保険を1ヶ月だけもらって再就職は損?再就職手当の条件と計算法早く就職するのと、最後までもらうのはどちらが得かを比べています。
―失業保険のもらい方|手続きの流れ7ステップ―雇用保険受給資格者証とは?見方・再発行―失業保険の期間はいつまで?給付日数の早見表




