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傷病手当・適応障害

休職中に退職するのはずるい?傷病手当金を退職後ももらう条件と手順|うつ病・適応障害の人へ元人事が解説

休職中に退職はずるい?

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うつ病や適応障害などで休職している。復職できる気がしない。でも、休職中に辞めるのは「ずるい」と思われないか、お金はどうなるのか——そんな不安を抱えている人に向けた記事です。

先にお伝えしたいのは、休職中に退職することは、ずるいことではありません。休職は会社の制度の一つで、その間にどう働くかを考え、辞める選択をするのは働く人の自由です。この記事では、休職中に辞めるときの手順と、退職後も傷病手当金を受け取るための条件、失業保険との関係を、協会けんぽ・厚生労働省・ハローワークの情報をもとに整理します。

💡 先に結論
・休職中でも退職はできる。期間の定めのない雇用なら、申し出から2週間で契約は終わる(民法627条)
・条件を満たせば、退職後も傷病手当金を受け取り続けられる(支給開始から通算1年6か月まで)
・退職日に出勤すると、退職後の傷病手当金はもらえなくなる
・働けない間は失業保険は受け取れない。受給期間の延長を申請しておく
目次
  1. 休職中に退職するのは「ずるい」?
  2. 退職後も傷病手当金をもらうための条件
  3. 傷病手当金はいくら?
  4. 休職から退職、その後の流れ
  5. 失業保険は「受給期間の延長」をしておく
  6. 休職中に退職するときの手順
  7. 受け取れるお金を整理したいとき
  8. よくある質問

休職中に退職するのは「ずるい」?

休職制度は法律で決められたものではなく、会社が就業規則で設ける制度です。厚生労働省のモデル就業規則でも、休職期間が満了しても治らない場合は退職とする、という定めが例として示されています。つまり、休職は「治るまで待つ期間」であると同時に、働き続けるか辞めるかを考える期間でもあります。

傷病手当金も、あなたが毎月払ってきた健康保険料から支給される、正当な給付です。後ろめたく思う必要はありません。体を治すことを、いちばんに考えてください。

退職後も傷病手当金をもらうための条件

図解:退職後も傷病手当金を受け取れる?

Q1. 退職日までに、健康保険(協会けんぽなど)に続けて1年以上加入している?
任意継続や国民健康保険の期間は数えない
いいえ → 退職後の傷病手当金(継続給付)は受け取れない

↓ はい

Q2. 退職日の時点で、傷病手当金を受けている(または受けられる状態にある)?
連続3日以上休み、退職日も休んでいることが必要
いいえ → 退職後に新しく申請することはできない

↓ はい

Q3. 退職日に出勤しない?
挨拶や引き継ぎのために出勤すると対象外になる
いいえ → 退職日の翌日以降は支給されない

↓ はい

退職後も引き続き受け取れる(支給開始から通算1年6か月まで)

一度働ける状態に戻ると、その後また働けなくなっても支給は再開されません。協会けんぽ以外の健康保険組合に加入している人は、組合に確認してください。

⚠ 退職日は出勤しない
退職日に、私物の片づけや挨拶のために出勤すると、その日は「働けた日」とみなされ、退職後の傷病手当金を受け取れなくなります(協会けんぽ)。私物の受け取りや貸与品の返却は、郵送でお願いしましょう。

傷病手当金はいくら?

1日あたりの金額は、次の式で計算します(協会けんぽ)。

計算 内容
① 標準報酬月額の平均 支給開始日以前の、直近の継続した12か月の標準報酬月額の平均
② 1日あたりの額 ①÷30日×3分の2
例 標準報酬月額17万円の人:17万円÷30≒5,670円 → ×3分の2=3,780円

月給のおよそ3分の2が目安です。加入期間が12か月未満の人は、計算のしかたが少し変わります。

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【退職後ももらえる】傷病手当金の条件と申請方法

休職から退職、その後の流れ

図解:休職中に辞めるときのお金の流れ

体調に合わせて、順番に

休職中
傷病手当金を受給
退職
退職日は出勤しない
退職後
傷病手当金を継続受給(通算1年6か月まで)
受給期間の延長
ハローワークに申請
働けるようになったら
失業保険の手続き

傷病手当金と失業保険は同時には受け取れません。失業保険は「すぐに働ける人」のための給付だからです。

失業保険は「受給期間の延長」をしておく

失業保険(基本手当)を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年です。病気で働けない期間が長くなると、この1年が過ぎてしまうおそれがあります。

病気やけがで30日以上働けないときは、ハローワークに申請すると、働けない日数分だけ受給期間を延ばせます。延ばせるのは最長3年で、もとの1年と合わせて最長4年です。申請は、延長後の受給期間の最後の日までならできますが、早めにしておくと安心です。

💡 病気で辞めた人は
病気が理由で自己都合退職した場合、ハローワークで「特定理由離職者」と判断されれば、給付制限(原則1か月)がかからず、雇用保険の加入期間も「離職前1年間に6か月以上」で受け取れます。手続きのときに、医師の意見書などで状況を伝えましょう。
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うつ病・適応障害で退職したら失業保険はもらえる?

休職中に退職するときの手順

1
主治医に相談する
退職しても治療は続きます。傷病手当金の申請書には医師の記入が必要なので、退職の予定を伝えておきます。
2
退職の意思を伝える
電話やメール、書面で伝えて大丈夫です。直接会う必要はありません。期間の定めのない雇用なら、申し出から2週間で退職できます。
3
退職日は出勤しない
書類のやり取りや貸与品の返却は郵送にします。
4
退職後の健康保険を決める
任意継続(資格喪失日から20日以内に申出)か、国民健康保険か、家族の扶養に入るかを選びます。任意継続中は、新しい病気の傷病手当金は出ませんが、在職中から続けて受けている分(継続給付)は申請できます。
5
ハローワークで受給期間の延長を申請する
離職票が届いたら、働けない状態であることを伝えて延長の手続きをします。
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退職後の健康保険|任意継続と国保どっちが得?

会社に連絡するのがつらくてできないときは、家族に手伝ってもらう、退職代行を使うといった方法もあります。

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受け取れるお金を整理したいとき

傷病手当金、失業保険、国民年金の免除など、退職後に使える制度は自分で申請すれば費用はかかりません。何が使えるかを一度に確認したい人は、制度をまとめたページも参考にしてください。

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よくある質問

Q. 休職期間が満了したらどうなる?
A. 就業規則の定めによります。厚生労働省のモデル就業規則のように、休職期間が満了しても復職できない場合は退職とする、と定めている会社があります。まずは自分の会社の就業規則を確認しましょう。
Q. 退職後に傷病手当金を新しく申請できる?
A. できません。退職後も受け取れるのは、退職日の時点で受けている(受けられる状態の)人だけです。辞める前に、受給の条件を満たしているか確認しましょう。
Q. 退職したことで、病気が「ずるい」と思われない?
A. 病気で働けないことも、それを理由に辞めることも、何も悪いことではありません。周りの評価より、自分の体と生活を守ることを優先してください。

つらい気持ちが続くときは、一人で抱え込まず、主治医や家族、自治体の相談窓口、厚生労働省の「こころの耳」などに相談してください。

※本記事は2026年10月時点の全国健康保険協会(協会けんぽ)、厚生労働省、ハローワークの公表情報と、健康保険法・雇用保険法・民法をもとに作成しています。健康保険組合や共済組合に加入している人は、制度の内容が異なる場合があります。個別の判断は、加入している健康保険とハローワークにご確認ください。

海田
この記事を書いた人
海田 次郎
人事5年・労務5年の実務を経て、退職支援会社で退職相談の面談を1,000件以上担当。会社側と辞める側の両方を見てきた経験から、制度は一次情報で確認し、サービスの弱点も含めて正直に書くことを方針にしています。

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