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退職の手続き

退職した年の年末調整はどうなる?無職・失業保険中・再就職した人別の手続きを元人事が解説【2026年】

退職した年の年末調整はどうなる?

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「年の途中で会社を辞めたけど、年末調整はどうなるの?」「失業保険をもらっている間も何か出す必要がある?」——毎年10月から12月にかけて、検索が大きく増える疑問です。

結論から言うと、年の途中で退職した人は、辞めた会社では年末調整を受けられないのが原則です。そのあと年内に再就職したかどうかで、やることが変わります。人事・労務の実務経験をもとに、国税庁の案内に沿って、あなたがどれに当てはまるかを整理します。

💡 先に結論
・年の途中で退職した人は、辞めた会社では原則として年末調整されない(12月の給与を受け取ってから辞めた人などは例外)
・年内に再就職した → 新しい会社で、前の会社の分も合わせて年末調整。前の会社の源泉徴収票を提出する
・年末まで無職 → 翌年に確定申告(還付申告)。払いすぎた所得税が戻ることが多い。5年間できる
・失業保険(基本手当)は非課税。年末調整にも確定申告にも入れない
・2026年分から基礎控除などが引き上げられ、年末調整か確定申告で反映される

図解:あなたの年末調整はどうなる?(2026年に退職した人)

Q1. 12月に支給される給与を受け取る前に退職した?
11月末までに辞めた人は、ほぼ「はい」
いいえ → 辞めた会社で年末調整されるのが原則。源泉徴収票で確認を

↓ はい

Q2. 年内に別の会社で働き始めた?
パート・アルバイトで給与をもらう場合も含む
いいえ → 年末調整はなし。翌年1月以降に確定申告(還付申告)

↓ はい

Q3. 12月の時点で、その会社に在籍している?
扶養控除等申告書を出している勤務先
いいえ → その会社も年の途中で辞めた扱い。確定申告で精算

↓ はい

新しい会社で年末調整。前の会社の源泉徴収票を提出する

国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」をもとに作成。例外(パートで給与総額136万円以下の人など)は本文で説明します。

目次
  1. 年の途中で退職した人は、原則として年末調整されない
  2. 年内に再就職した人:新しい会社で、前の会社の分も合わせて年末調整
  3. 年末まで無職の人:翌年に確定申告をすると、所得税が戻ることが多い
  4. 失業保険をもらっている人:年末調整にも確定申告にも入れない
  5. 2026年分から変わること|基礎控除と給与所得控除の引き上げ
  6. 退職したタイミング別|年末調整と、そのあとやること
  7. よくある質問
  8. まとめ|辞めた年の年末調整は「年内に再就職したか」で決まる

年の途中で退職した人は、原則として年末調整されない

年末調整は、1年間の給与と所得税を会社が12月に精算する仕組みです。対象は「1年を通じて勤務している人」や「年の途中で就職して年末まで勤務している人」で、年の途中で辞めた人は原則として対象外です。

ただし国税庁は、年の途中で退職した人でも、次のどれかに当てはまる場合は年末調整の対象になるとしています。

年末調整の対象になる中途退職者 よくある例
12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人 12月の給料日を過ぎてから12月中に辞めた
本年中に支払を受ける給与の総額が136万円以下の人(退職後、その年に他の勤務先から給与を受ける見込みのある人を除く) パートで働いていて、年内は再就職しない
著しい心身の障害のために退職した人(退職後、その年に再就職する見込みのある人を除く) 病気やけがで働けなくなって辞めた
死亡によって退職した人 —
海外支店等への転勤などで非居住者になった人 —

出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」(令和8年4月1日現在の法令による)。136万円は2026年分の金額です。

自分が年末調整されたかどうかは、会社から届く源泉徴収票で確認できます。年末調整をしていない源泉徴収票は、「給与所得控除後の金額」や「所得控除の額の合計額」の欄が空欄になっているのが一般的です。

あわせて読みたい
退職後の源泉徴収票はいつもらえる?もらえないときの対処と、年末調整・確定申告での使い方

年内に再就職した人:新しい会社で、前の会社の分も合わせて年末調整

年内に別の会社に入り、12月にもそこで働いているなら、新しい会社が、前の会社の給与も合わせて年末調整をします。そのために必要なのが、前の会社が発行する源泉徴収票です。

1
前の会社の源泉徴収票を受け取る
会社は、退職した日から1か月以内に源泉徴収票を交付することになっています(所得税法226条)。
2
新しい会社に提出する
年末調整の書類(扶養控除等申告書・保険料控除申告書など)と一緒に出すのが一般的です。
3
退職後に自分で払った国民年金・国民健康保険を申告する
会社を辞めてから再就職するまでの間に払った分は、社会保険料控除になります。国民年金は「控除証明書」が必要です。
⚠ 源泉徴収票が間に合わないとき
前の会社の源泉徴収票を出さないと、新しい会社は前の会社の分を含めた年末調整ができません。その場合は、翌年に自分で確定申告をして精算することになります。

年末まで無職の人:翌年に確定申告をすると、所得税が戻ることが多い

会社員の所得税は、毎月の給料から「1年間働き続ける」前提の金額で差し引かれています。年の途中で辞めて年末まで再就職しないと、この精算がされないまま年を越すので、多くの場合、所得税を払いすぎた状態になっています。

国税庁は、年の途中で退職して年末調整を受けず、源泉徴収税額が納めすぎになっている人を、還付申告ができる例として挙げています。還付申告は、翌年1月1日から5年間提出できます。2026年に辞めた人なら、2027年1月1日から申告できます。

用意するもの どこで手に入るか
退職した会社の源泉徴収票 退職後1か月以内に会社から届く
国民年金の控除証明書 日本年金機構から郵送される
国民健康保険料の金額がわかるもの 領収書や納付通知書(証明書の添付は不要)
マイナンバーカード(スマホで申告する場合) —

手順やスマホでのやり方は、こちらの記事にまとめています。

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退職後に無職なら確定申告でお金が戻る?必要書類・いつまで・スマホでのやり方
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失業保険をもらっている人:年末調整にも確定申告にも入れない

失業保険(雇用保険の基本手当)は、所得税がかからないお金です。雇用保険法12条で、失業等給付として受け取ったお金に税金をかけることはできないと決められています。そのため、年末調整の書類にも確定申告書にも書く必要はありません。再就職手当も同じ扱いです。

⚠ 扶養は別のルール
税金の上では非課税でも、健康保険の扶養では失業保険も収入として数えます。家族の扶養に入るときは、受給中の日額に注意してください。
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失業保険をもらいながら扶養に入れる?日額3,612円の壁と「どっちが得か」

なお、失業保険をもらいながらアルバイトをして給与を受け取った場合、そのアルバイト代は給与所得です。年末に在籍していればその勤務先で、そうでなければ確定申告で精算します。

2026年分から変わること|基礎控除と給与所得控除の引き上げ

2026年度の税制改正で、2026年分(令和8年分)の所得税から、次の見直しが行われました。施行は2026年12月1日で、12月の年末調整で1年分まとめて精算されます。

項目 内容
基礎控除 本則が58万円から62万円に。加えて、所得に応じた上乗せがある
給与所得控除の最低保障額 65万円から74万円に
源泉徴収税額表 2027年1月以後に支払う給与から新しい表を使う

出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」「同Q&A」

年の途中で辞めて年末調整を受けない人も、確定申告をすれば改正後の控除で計算されます。2026年に辞めて年末まで無職だった人は、確定申告をすれば引き上げ後の控除が反映されます。

退職したタイミング別|年末調整と、そのあとやること

退職したタイミング 辞めた会社の年末調整 そのあとやること
11月30日までに退職(12月の給与はない) されない 年内に再就職 → 新しい会社で年末調整/無職 → 翌年に確定申告
12月の給料日を過ぎてから12月中に退職 されるのが原則 源泉徴収票で確認。されていなければ確定申告
12月31日付で退職 されるのが原則(12月も在籍しているため) 12月分の給与が1月に払われる場合、その分は2027年分の所得になる

12月に辞めるか、年明けまで在籍するかで迷っている人は、ボーナスや社会保険料との関係もあわせて確認してください。

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転職した年の年末調整|前の会社の源泉徴収票が必要な理由・もらえないとき

よくある質問

Q. 辞めた会社に年末調整をしてもらうことはできますか?
A. 原則としてできません。年末調整は、その年の最後に給与を払う会社が行うもので、年の途中で辞めた人は対象外です。例外は、12月の給与を受け取ってから辞めた人、パートなどで年内の給与総額が136万円以下の人(年内に再就職しない場合)などです。
Q. 源泉徴収票がまだ届きません。
A. 会社は、退職した日から1か月以内に源泉徴収票を交付することになっています。まずは会社に請求し、それでも出してもらえない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出」をすることができます。
Q. 年末調整も確定申告もしないとどうなりますか?
A. 払いすぎた所得税が戻らないままになります。還付申告は翌年1月1日から5年間できるので、あとからでも間に合います。
Q. 失業保険の受給額は申告に書きますか?
A. 書きません。失業保険(基本手当)や再就職手当は非課税です。
Q. 退職金は年末調整に入りますか?
A. 入りません。退職金は給与とは別の「退職所得」です。会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、退職金を受け取った時点で税金の計算は終わっています。
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まとめ|辞めた年の年末調整は「年内に再就職したか」で決まる

  • ✅ 年の途中で退職した人は、辞めた会社では原則として年末調整されない
  • ✅ 年内に再就職したら、前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出して年末調整
  • ✅ 年末まで無職なら、翌年1月1日から確定申告(還付申告)。5年間できる
  • ✅ 失業保険・再就職手当は非課税。どこにも書かない
  • ✅ 2026年分は基礎控除などが引き上げられ、年末調整か確定申告で反映される
海田
この記事を書いた人
海田 次郎
人事5年・労務5年の実務を経て、退職支援会社で退職相談の面談を1,000件以上担当。会社側と辞める側の両方を見てきた経験から、制度は一次情報で確認し、サービスの弱点も含めて正直に書くことを方針にしています。

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