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「退職したのに、源泉徴収票がまだ届かない」
「次の会社に出してと言われたけど、そもそも何に使うの?」
源泉徴収票は、その年に会社から受け取った給料と、引かれた所得税をまとめた書類です。退職した人は、次の会社での年末調整か、自分で行う確定申告に使います。会社は、退職した日から1か月以内に渡すことが法律で決まっています。
何に使う?年内に再就職したら新しい会社の年末調整に。再就職しなかったら確定申告に
もらえないときは?会社に請求し、それでもだめなら税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出す
確定申告すると?年の途中で辞めた人は、所得税が戻ってくることが多い(5年以内なら申告できる)
目次
源泉徴収票とは?退職した人に必要な理由
会社員の所得税は、毎月の給料から少しずつ引かれています(源泉徴収)。この金額は、1年間働く前提でざっくり計算されたものです。そこで年末に、会社が1年分の正しい税額を計算し直して、払いすぎた分を返します。これが年末調整です。
ところが、年の途中で退職した人は、この年末調整を受けられません。そのため、所得税を払いすぎたままになっていることが多いのです。払いすぎを取り戻すために必要になるのが、源泉徴収票です。
いつもらえる?退職後1か月以内
国税庁の案内では、源泉徴収票の交付期限は「中途退職は退職後1月」とされています(所得税法226条)。多くの会社は、最後の給料の計算が終わったあとに郵送してきます。
| 書類 | 期限 | 中身 |
|---|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | 退職後1か月以内 | その年の給料の合計、引かれた所得税、社会保険料など |
| 退職所得の源泉徴収票(退職金をもらった人) | 退職後1か月以内 | 退職金の額と、引かれた所得税 |
源泉徴収票の使い方|あなたはどのパターン?
| あなたの状況 | やること |
|---|---|
| 年内に次の会社に入った | 前の会社の源泉徴収票を、新しい会社に出す。新しい会社が、前の会社の分も合わせて年末調整してくれる |
| 年内に再就職しなかった | 翌年、自分で確定申告(還付申告)をする。払いすぎた所得税が戻ってくることが多い |
| 12月の給料をもらってから辞めた | 前の会社が年末調整をしてくれていることがある。源泉徴収票の「年調」欄などを確認 |
| パートで、その年の給料の合計が136万円以下 | 前の会社が年末調整をしてくれることがある(2026年分の国税庁の案内) |
もらえない・届かないときの対処法
会社と直接やり取りしたくないときは、退職代行に依頼する際に「源泉徴収票・離職票・資格喪失証明書を送ってほしい」とまとめて伝えてもらう方法もあります。
確定申告で使うときのポイント
- ✅ 源泉徴収票は、今はe-Taxでも書面でも、申告書への添付は不要(書いてある金額を写せばよい)
- ✅ ただし、申告書を作るときに金額を見るので、手元に保管しておく
- ✅ 失業保険(基本手当)は非課税なので、申告書に書かなくてよい
- ✅ 退職後に自分で払った国民健康保険料・国民年金保険料は「社会保険料控除」になる。領収書や控除証明書を取っておく
- ✅ 退職金は、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、ふつうは申告不要
失業保険の日数を3分の2以上残して就職すると、残りの70%が再就職手当としてまとめて支給されます(3分の1以上なら60%)。条件を見る。
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退職金をもらった人は「退職所得の源泉徴収票」も届く
退職金(退職手当)を受け取った人には、給与の源泉徴収票とは別に、「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」が届きます。会社は、退職の日から1か月以内に本人に交付することになっています(所得税法226条2項)。
| 給与所得の源泉徴収票 | 退職所得の源泉徴収票 | |
|---|---|---|
| 対象 | その年に受け取った給料・ボーナス | 退職金(退職手当) |
| 税金の計算 | ほかの所得と合わせて計算 | ほかの所得と分けて計算(退職所得控除を引いた額の2分の1が原則) |
| 主な欄 | 支払金額・源泉徴収税額など | 支払金額・源泉徴収税額・特別徴収税額(住民税)・退職所得控除額・勤続年数 |
| 交付の期限 | 退職後1か月以内 | 退職後1か月以内 |
退職金の税金は、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に出していたかどうかで変わります。出していれば、会社が正しい税額を計算して差し引いているので、原則として確定申告は要りません。出していなければ、支払額の20.42%が差し引かれているので、確定申告をすると払いすぎた分が戻ることがあります。
出典:所得税法226条、国税庁 No.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」、No.7421、「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」
源泉徴収票がPDF(電子交付)で届いたとき
本人が承諾していれば、会社は源泉徴収票を紙ではなく電子データ(PDFなど)で渡すことができます(所得税法226条4項)。ただし、本人が紙での交付を求めれば、会社は紙で渡さなければなりません。退職金の源泉徴収票を電子で渡すには、本人のはっきりした承諾が必要です。
確定申告では、源泉徴収票の添付は要りません(次の項目を参照)。PDFで受け取った場合は、そこに書かれた金額を申告書に入力していきます。
源泉徴収票がないまま確定申告できる?
2019年(平成31年)4月1日以後に提出する確定申告書からは、源泉徴収票の添付も提示も不要になりました。ただし、申告書には源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」などを書く必要があるので、中身の数字はやはり必要です。
会社が倒産した・連絡がつかないとき
この場合も、国税庁が用意している手続きは上の「源泉徴収票不交付の届出」です。届出書には、会社とのやり取りの経緯を時系列で書き、給与明細があれば写しを添えます。なお、会社の倒産で国の「未払賃金立替払制度」を使って受け取ったお金は、税金の上では退職所得として扱われます(国税庁 No.2736)。
【2026年分】11月までに辞めた人は、確定申告で控除の引上げが反映される
2026年度の税制改正で、2026年分の所得税から基礎控除や給与所得控除の最低保障額(65万円→74万円)などが引き上げられました。施行は2026年12月1日で、在職している人は12月の年末調整でまとめて精算されます。
そのため、2026年11月30日までに退職して年末調整を受けていない人は、引き上げ後の控除を受けるために確定申告(還付申告)が必要です。源泉徴収された税金がなければ、申告しても戻るお金はありません。還付申告は、翌年1月1日から5年間できます。
出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(Q&A)」、No.1910、No.2030
中途退職者の源泉徴収票の見方|空欄があっても間違いではない
| 欄 | 見るポイント |
|---|---|
| 支払金額 | その年に支払いが確定した給与・賞与の合計。確定申告ではこの数字を使う |
| 源泉徴収税額 | 年末調整をしていなければ、給料から差し引かれた所得税の合計 |
| 給与所得控除後の金額 | 年末調整をした人だけに書かれる欄。年の途中で辞めた人は空欄が普通 |
| 中途就・退職 | 退職した人は「退職」の欄に印と退職年月日が書かれる |
年の途中で辞めた人の源泉徴収票は、年末調整をしていないため、「給与所得控除後の金額」などの欄が空いているのが一般的です。空欄があっても、間違いではありません。
2027年から:会社の提出の仕組みが変わる(本人がもらう書類は同じ)
2027年(令和9年)1月1日以後は、会社が市区町村に「給与支払報告書」を出せば、税務署にも源泉徴収票を出したものとみなされる仕組みになります。本人に源泉徴収票を渡す会社の義務は、これまでと変わりません。会社がこの報告書を電子で出していれば、確定申告でマイナポータル連携(自動入力)を使える場面が広がる見込みです。
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よくある質問
まとめ|1か月で届かなければ、まず会社に連絡
- ✅ 源泉徴収票は、退職後1か月以内に会社が渡すもの
- ✅ 年内に再就職したら新しい会社へ。しなかったら翌年に確定申告
- ✅ 年の途中で辞めた人は、確定申告で所得税が戻ることが多い(5年以内ならOK)
- ✅ もらえないときは会社に請求→税務署に不交付の届出
- ✅ なくしたときの再発行は、会社に頼む
参考:国税庁「F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続」「No.2665 年末調整の対象となる人」(令和8年4月1日現在法令等)「No.2030 還付申告」。





