記事内に広告(PR)を含みます
「失業保険って、退職したら誰でももらえるんじゃないの?」
そう思っていませんか?実は、それは大きな誤解です。
失業保険(雇用保険の基本手当)には、明確な受給条件があります。条件を満たさない場合は、1円ももらえません。特に自営業・フリーランス・個人事業主の方は、そもそも雇用保険に加入できないため、対象外になります。
この記事では、元人事担当者の視点から、失業保険の対象外になる人のケースを6つに分けてデータとともに解説します。さらに、対象外でも使える制度・サポート会社についても紹介します。まず自分が該当するかどうか、この記事でしっかり確認してください。
30秒でわかる:失業保険をもらえる?チェック図
給与明細に「雇用保険料」が引かれていれば加入しています
↓ はい
倒産・解雇や、更新を希望したのに契約が更新されなかった場合などは「離職前1年間に6か月以上」でOK
↓ はい
病気・けが・妊娠・出産・育児・介護で今は働けない人は「いいえ」
↓ はい
↓ はい
※「加入期間1か月」は、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上ある月(11日未満でも80時間以上働いた月を含む)を数えます。最終的な判断は管轄のハローワークが行います。
目次
雇用保険に加入できない人とは?加入条件と「入れない人」の一覧
失業保険(基本手当)は、雇用保険に加入していた人だけが受け取れます。つまり「雇用保険に加入できない人」=「失業保険の対象外になる人」です。まず、誰が加入できて、誰が加入できないのかを整理します。
加入の条件は2つだけ
労働局の案内では、「1週間の所定労働時間が20時間以上であり、且つ、同一の事業主に引き続き31日以上の雇用見込みがある場合」に、原則として雇用保険の被保険者になるとされています。正社員・パート・アルバイト・派遣といった名称は関係ありません。
| 条件 | 内容 | 該当しない例 |
|---|---|---|
| ① 週の所定労働時間 | 20時間以上 | 週3日×5時間=15時間のパートは対象外 |
| ② 雇用見込み | 31日以上 | 2週間の短期バイト、単発の日雇い |
条件を満たしていても「加入できない人」
上の2条件を満たしていても、次の人は原則として被保険者になりません(愛媛労働局の案内をもとに整理)。
| 加入できない人 | 補足 |
|---|---|
| 法人の代表取締役・監査役 | 役員は「雇用される労働者」ではないため。兼務役員は労働者性があれば加入できる場合がある |
| 事業主と同居の親族 | 家族経営の会社で働く配偶者・子など。就業実態が他の従業員と同じなら加入できることがある |
| 昼間学生 | 通信教育・夜間・定時制の学生は加入できる |
| 季節的に4か月以内の期間で雇われる人 | 毎年おおむね一定の時期に行われる業務 |
| 国・都道府県・市町村に雇用される公務員 | 別の制度(退職手当など)がある |
| 家事使用人 | 主として家事に従事する人 |
| 特定漁船以外の漁船に乗り組む船員 | 船員保険が適用される |
ここから先は、「加入していたのに失業保険がもらえないケース」も含めて、対象外になる6つのパターンを見ていきます。
そもそも失業保険(雇用保険)とは何か
まず基本から整理します。失業保険とは、正式には「雇用保険の基本手当」といいます。会社に雇われて働いていた人が退職した後、次の仕事が見つかるまでの生活を支えるための給付金です。
受給額は退職前の給与の50〜80%程度。受給期間は90〜360日間です。月給30万円の人なら、月15〜24万円程度を受け取れる計算になります。
雇用保険は「加入が義務」の制度
雇用保険は、一定の条件を満たす労働者が加入する社会保険制度です。会社員として働いている場合、原則として会社が自動的に加入手続きを行います。毎月の給与から保険料が天引きされているはずです。
ただし、全員が加入できるわけではありません。加入できる人・できない人の条件が法律で定められています。
失業保険の受給に必要な3つの基本条件
退職前の2年間に雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上ある(特定理由の場合は6ヶ月)
就職する意思・能力があり、積極的に求職活動をしている
ハローワークに離職票を提出して求職の申し込みをしている
この3条件のうち、1つでも満たさない場合は受給できません。次のセクションから、対象外になる具体的なケースを6つ解説します。
パート・派遣・契約社員(非正規)でも失業保険はもらえる?
もらえます。雇用保険は「正社員かどうか」ではなく、週20時間以上・31日以上の雇用見込みという働き方で決まります。パート・アルバイト・派遣・契約社員でも、この2つを満たして加入していれば、正社員と同じ条件で失業保険を受け取れます。
| 働き方 | 加入する会社 | 注意するところ |
|---|---|---|
| パート・アルバイト | 勤め先 | シフトが減って週20時間を下回ると、その時点で加入がなくなることがある。給与明細で雇用保険料が引かれているか確認 |
| 派遣社員 | 派遣元(派遣会社) | 派遣先ではなく派遣会社で加入する。契約が終わったら、派遣会社に離職票を請求する |
| 契約社員 | 勤め先 | 契約満了で辞めるときは、更新を希望していたかどうかで扱いが変わる(下の表) |
契約満了で辞めたときの扱い
| 辞め方 | 区分の目安 | 加入期間の条件 | 給付制限 |
|---|---|---|---|
| 更新を希望したのに、会社が更新しなかった | 特定理由離職者など | 離職前1年間に6か月以上 | なし |
| 契約に「更新する」と書かれていたのに更新されなかった | 特定受給資格者(会社都合と同じ扱い) | 離職前1年間に6か月以上 | なし |
| 自分から更新を希望しなかった | 一般の離職者 | 離職前2年間に12か月以上 | 離職理由による(ハローワークで確認) |
どの区分になるかは、離職票の離職理由をもとにハローワークが判断します。「更新を希望した」ことは離職票の記載や本人の申し出で確認されるので、更新を希望していた場合は、手続きのときにはっきり伝えましょう。
失業保険の対象外になる人|6つのケースを徹底解説
実際にどんな人が対象外になるのか。元人事担当者として数百件の退職手続きに関わってきた経験から、よくあるケースを6つにまとめました。
ケース①:自営業・フリーランス・個人事業主
これが最も多いケースです。雇用保険は「雇用されている労働者」が対象の制度です。自営業者・フリーランス・個人事業主は、そもそも雇用保険に加入できません。
厚生労働省のデータによると、日本の就業者のうち自営業者・フリーランスは約1,000万人以上います。この全員が失業保険の対象外です。
ケース②:雇用保険の加入期間が12ヶ月未満
会社員であっても、退職前2年間の雇用保険加入期間が通算12ヶ月に満たない場合は受給できません。入社してすぐに辞めた場合や、転職直後に退職した場合に起こりやすいケースです。
ただし、会社都合退職・特定理由離職(パワハラ・長時間労働など)の場合は、6ヶ月以上あれば受給できます。退職理由の記載内容が非常に重要です。
ケース③:週の所定労働時間が20時間未満
パートやアルバイトの場合、週の所定労働時間が20時間未満だと雇用保険に加入できません。加入できなければ、当然失業保険も受給できません。週20時間というのは、1日4時間・週5日勤務のラインです。
厚生労働省の調査では、パート労働者の約30%が週20時間未満で働いており、このグループは全員対象外となります。
ケース④:31日以上の雇用見込みがなかった場合
雇用保険の加入には「31日以上の雇用見込みがあること」という条件もあります。日雇い労働者・短期アルバイトなど、最初から短期間の契約だった場合は加入できないケースがあります。
ケース⑤:65歳以上で退職した場合(一部例外あり)
65歳以上で退職した場合は、基本手当(失業保険)ではなく「高年齢求職者給付金」の対象になります。金額・受給期間ともに基本手当より少なくなるため、注意が必要です。
ケース⑥:すぐに就職できる状態にない場合
病気・ケガ・妊娠・育児などですぐに就職できない状態の場合、失業保険は受給できません。就職の意思と能力が条件のため、働ける状態でないと対象外になります。ただし、この場合は受給期間を延長できる制度があります。
| 対象外のケース | 主な理由 | 代替策 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス | 雇用保険に加入不可 | 小規模企業共済・各種支援制度 |
| 加入期間12ヶ月未満 | 受給資格なし | 特定理由なら6ヶ月でOKの場合も |
| 週20時間未満のパート | 加入要件を満たさない | 職業訓練給付金など |
| 短期雇用(31日未満) | 雇用見込み要件なし | 日雇労働求職者給付金 |
| 65歳以上で退職 | 基本手当の対象外 | 高年齢求職者給付金 |
| 就職不能状態(病気など) | 就労意思・能力なし | 傷病手当金・受給期間延長 |
自分が対象外かどうかを確認する方法
「自分が該当するかわからない」という方のために、確認の手順を解説します。
まず給与明細・雇用保険被保険者証を確認する
雇用保険に加入しているかどうかは、給与明細を見れば確認できます。「雇用保険料」が天引きされていれば加入しています。また、入社時に会社から「雇用保険被保険者証」が発行されているはずです。手元にない場合はハローワークで再発行できます。
加入期間はハローワークで確認できる
加入期間が12ヶ月以上あるかどうかは、ハローワークの窓口で確認できます。複数の会社を転職している場合、前職の加入期間も通算できるケースがあります。離職票が手元になくても、ハローワークで照会できます。
加入が12か月に足りなくても、受け取れることがある
自己都合で辞めた場合、失業保険には「辞める前の2年間に、雇用保険に入っていた月が12か月以上」必要です。ただし、上司の暴言やパワハラ、長時間の残業などが理由で辞めた人は「特定受給資格者」に当たることがあり、その場合は「辞める前の1年間に6か月以上」で受け取れます。
例えば入社8か月で辞めた人でも、退職の理由によっては受給できる可能性があります。「12か月ないから無理」と決めつけず、離職票を持ってハローワークで退職の理由を正しく伝えてください。
失業保険を申請しなかった場合どうなる?
申請しなくても、罰則やペナルティはありません。ただし、受け取れたはずのお金を受け取らないままになります。
| 申請しないと | どうなるか |
|---|---|
| 失業保険(基本手当) | 受け取れるのは離職の翌日から原則1年以内。1年を過ぎると、残りの日数があっても受け取れない |
| 再就職手当 | 早く再就職したときにもらえる手当も、失業保険の手続きをしていないと受け取れない |
| 加入期間 | 次の会社をまた辞めたとき、前の会社の加入期間を合算できる場合がある(離職から1年以内に次の会社で加入し、前の会社の分で受給の手続きをしていない場合など) |
すぐ次の仕事が決まっている人以外は、「とりあえず申請しておく」のが損をしない選び方です。申請した後に就職が決まれば、条件しだいで再就職手当を受け取れます。
対象外でも使える制度・給付金がある
失業保険の対象外でも、諦める必要はありません。他にも活用できる制度・給付金があります。知っているかどうかで、退職後の生活が大きく変わります。
①職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
雇用保険に未加入の方でも申請できる給付金です。ハローワークが認定した職業訓練を受講することで、月10万円の給付金を受け取れます。パート・フリーランス・自営業を廃業した方も対象です。訓練期間中は交通費も支給されます。
②傷病手当金
病気・ケガで働けない状態であれば、健康保険から傷病手当金を受給できます。受給期間は最長1年6ヶ月。在職中から受給を開始していれば、退職後も継続して受け取れます。月15〜30万円程度が目安です。
③生活困窮者自立支援制度
収入が著しく減少した場合、自治体の窓口で相談できる支援制度です。住居確保給付金(最大9ヶ月家賃補助)や、支援員による就労サポートを無料で受けられます。
④小規模企業共済(自営業・フリーランス向け)
自営業・フリーランスの方が廃業した場合、小規模企業共済から共済金を受け取れます。在職中に掛け金を積み立てておく必要がありますが、廃業時にまとまった金額を受け取れる仕組みです。月1,000円から加入できます。
| 制度名 | 対象者 | 受給額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 職業訓練受講給付金 | 雇用保険未加入者も可 | 月10万円+交通費 | ハローワーク |
| 傷病手当金 | 在職中から受給の方 | 月15〜30万円程度 | 健康保険組合 |
| 住居確保給付金 | 収入が激減した方 | 最大9ヶ月家賃補助 | 自治体窓口 |
| 小規模企業共済 | 自営業・フリーランス | 積立額による | 中小機構 |
これらの制度については退職後にもらえるお金の種類まとめでも詳しく解説しています。
対象外でも諦めないために|給付金サポート会社という選択肢
失業保険の対象外だとわかった場合、次に考えるべきは「代わりに使える制度をどう申請するか」です。ここで大きな差が出るのが、給付金サポート会社を使うかどうかです。
一人で動くと申請漏れが起きやすい
対象外の方が使える制度は、複数あります。しかし、それぞれ申請先・条件・タイミングが異なります。一人で全部把握して手続きするのは、正直かなり難しいです。
実際に、対象外と判断して何も申請しなかった結果、数十万円の給付金を取り逃がしたケースは珍しくありません。
給付金サポート会社ができること
退職理由・加入期間・労働時間など複数の条件を総合的に判断してくれます。
職業訓練給付金・傷病手当金・住居確保給付金など、申請できるものを全て提案してくれます。
複雑な書類作成・申請手順を丁寧にガイドしてくれるので、手続きミスを防げます。
男性の退職・給付金相談なら「男の退職代行」
男性特有の悩み(会社への言い出しにくさ・退職後のキャリア不安など)に寄り添って対応してくれるサービスです。退職手続きから給付金の相談まで、ワンストップでサポートしてくれます。
失業保険の対象外にならないために退職前に確認すべきこと
退職を決める前に、以下のことを確認しておくと損をしません。退職後に「知らなかった」では取り返しがつかないケースもあります。
退職前のチェックリスト
給与明細で雇用保険料が引かれているか確認する
雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あるか確認する
退職理由を正確に記録・整理しておく(特定理由に該当するか確認)
体調不良がある場合は退職前に医師の診察を受けておく
給付金サポート会社に事前相談して、もらえる給付金を把握しておく
退職手続き全体の流れは退職手続きの流れを完全解説した記事もあわせてご覧ください。また、退職代行サービスの比較は退職代行おすすめランキングをご覧ください。
あわせて読みたい
あわせて読みたい
まとめ|失業保険の対象外でも、動き方次第で受け取れるお金は変わる
失業保険の対象外になるケースは、大きく6つあります。自営業・フリーランス・加入期間不足・週20時間未満のパート・短期雇用・65歳以上・就職不能状態、これらに該当する方は受給できません。
ただし、対象外だからといって諦める必要はありません。職業訓練給付金・傷病手当金・住居確保給付金など、代わりに使える制度が複数あります。さらに、退職理由によっては「実は対象内だった」というケースも少なくありません。
大切なのは、一人で判断せずに専門家に相談することです。知っているかどうかで、受け取れるお金に数十万〜数百万円の差が生まれます。まずは無料相談から始めてください。
・自営業・フリーランスはそもそも加入不可
・加入期間が12ヶ月未満でも特定理由なら6ヶ月でOKの場合がある
・対象外でも使える給付金・支援制度が複数ある
・退職前に専門家へ相談することが最善の一手
失業保険のもらい方もらえる条件に当てはまったら、手続きの流れへ。
―失業保険の受給条件は3つ―会社都合退職と自己都合退職の違い―失業保険をもらいながらアルバイトはできる?1日4時間・週20時間のルールと申告の仕方



