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「11月に辞めるのはもったいない?」「どうせなら年明けまで待ったほうが得?」——毎年10月ごろから、退職する月で迷う人の検索が増えます。
年末に近い時期の退職で差がつくのは、主に冬のボーナス・年末調整・住民税・社会保険料の4つです。このうち本当にお金の差が出やすいのはどれか、10月・11月・12月・1月の退職で比べながら、人事・労務の実務経験をもとに整理します。
・年末調整は、受けられなくても損ではない。翌年に確定申告をすれば精算でき、払いすぎた所得税は戻る
・住民税は、1月以降に辞めると5月分までまとめて天引きされるので、退職月の手取りが大きく減る
・社会保険料は「月末に辞めるか、その前日に辞めるか」で会社負担の月が変わるが、無職になるなら国民年金・国保を払うので、得をするとは限らない
目次
10月・11月・12月・1月退職の比較表
| 退職のタイミング | 冬のボーナス | 年末調整 | 住民税(残りの分) |
|---|---|---|---|
| 10月末 | 支給日前なら、もらえないことが多い | 辞めた会社ではされない | 自分で納める(普通徴収) |
| 11月末 | 支給日が12月なら、もらえないことが多い | 辞めた会社ではされない | 自分で納める(普通徴収) |
| 12月(支給日のあと) | 支給条件を満たせばもらえる | 12月の給与を受け取ってから辞めれば、会社でされる | 自分で納める(希望すれば一括で天引きも可) |
| 1月 | もらえる(支給日に在籍していれば) | 前の年の分は会社で済んでいる | 1月から5月分を最後の給与などから一括で天引き |
ボーナスの支給条件は会社ごとに違います。就業規則や賃金規程で確認してください。住民税の扱いは地方税法の取扱いによる原則です。
①冬のボーナス|「支給日に在籍」が条件の会社が多い
ボーナスは、法律で必ず払うと決まっているお金ではなく、就業規則や賃金規程で決まります。「支給日に在籍している人に支給する」という条件(支給日在籍要件)を付けている会社は少なくありません。この条件がある会社で、支給日の前に辞めると、それまで働いた期間があってもボーナスはもらえないのが一般的です。
つまり、11月に辞めて「もったいない」かどうかは、冬のボーナスの支給日と金額でほぼ決まります。12月上旬に支給される会社なら、退職日を支給日のあとにずらすだけで受け取れることがあります。
②年末調整|受けられなくても、確定申告で取り戻せる
11月までに辞めると、辞めた会社では年末調整が受けられません。ただ、これは損ではありません。年末まで無職なら、翌年1月1日から確定申告(還付申告)ができ、払いすぎた所得税は戻ります。年内に再就職すれば、新しい会社で前の会社の分も合わせて年末調整されます。
③住民税|1月以降に辞めると、退職月の手取りが大きく減る
住民税は、前の年の所得に対して、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされます。退職すると天引きできなくなるので、残りの分の払い方が変わります。
| 退職した時期 | 残りの住民税の払い方 |
|---|---|
| 6月〜12月 | 原則として、自分で納める(普通徴収)。本人が希望すれば、最後の給与などから一括で天引きもできる |
| 1月〜4月 | 原則として、5月分までの残りを最後の給与や退職金から一括で天引き |
たとえば1月末に辞めると、2月から5月までの4か月分が最後の給与からまとめて引かれます。総額が増えるわけではありませんが、退職月の手取りが大きく減る点に注意が必要です。
④社会保険料|「月末退職は損」とは限らない
会社の健康保険と厚生年金は、退職日の翌日に資格がなくなり、保険料は「資格がなくなった月の前の月」の分までかかります。そのため、10月31日に辞めると10月分まで、10月30日に辞めると9月分までが給与から引かれます。
「月末の1日前に辞めれば1か月分得」と言われるのはこのためですが、次の会社に入るまで無職なら、その月の国民年金(2026年度は月17,920円)と国民健康保険を自分で払うことになります。会社の保険料は会社が半分負担しているので、自分で払う国民年金・国保のほうが高くなることもあります。翌月1日に次の会社に入るなら、月末退職のほうが空白ができません。
結局、何月に辞めるのがいい?元人事の考え方
| こんな人は | おすすめの退職時期 |
|---|---|
| 冬のボーナスがまとまった額で、支給日まで働ける | 支給日のあと(12月)。支給日在籍要件を確認したうえで |
| ボーナスがない・少ない、体調がつらい | 時期にこだわらず、早めに。年末調整は確定申告で取り戻せる |
| 転職先が1月入社 | 12月末退職で空白をつくらない |
| 1月以降に辞める | 住民税の一括天引きで、退職月の手取りが減ることを見込んでおく |
お金の差でいちばん大きくなりやすいのはボーナスです。逆に言えば、ボーナスがない人にとっては、11月退職が特別もったいないわけではありません。年末調整と社会保険料は、手続きをきちんとすればほとんど差が出ません。
退職日を決めたら、伝える時期は就業規則と法律のルールを確認してから決めてください。
よくある質問
まとめ|11月退職が「もったいない」かどうかは、ほぼボーナスで決まる
- ✅ 冬のボーナスは支給日在籍が条件の会社がある。支給日と金額を確認する
- ✅ 年末調整は受けられなくても、確定申告で取り戻せる
- ✅ 1月以降に辞めると、住民税が5月分まで一括で天引きされる
- ✅ 月末前日の退職は、無職なら国民年金・国保がかかるので得とは限らない
- ✅ ボーナスがない人にとって、11月退職は特別もったいないわけではない
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