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給与明細や入社時の書類で「中退共」という言葉を見かけたけれど、何のことかよくわからない。退職するときに何か手続きがいるの?——そんな人に向けた記事です。
中退共(中小企業退職金共済)は、国がつくった中小企業向けの退職金制度です。会社が加入していれば、あなたが辞めたときに退職金が中退共から直接あなたの口座に振り込まれます。ただし、自分で請求しないと受け取れません。この記事では、制度のしくみ、退職金の目安、退職したときの手続きの流れ、届かないときの確認先までを、勤労者退職金共済機構と厚生労働省の情報をもとに解説します。
・加入期間が12か月未満だと退職金は出ない。24か月以上で掛金の合計と同じくらいになる
・退職したら、会社から届く請求書に記入して郵送 → 約4週間で本人の口座に振込
・請求できる期間は5年。忘れずに請求する
目次
中退共とは|国がつくった中小企業の退職金制度
中退共は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する、国の退職金制度です。自社だけでは退職金を用意しにくい中小企業のために、事業主どうしの共済と国の援助で退職金の仕組みをつくっています。令和7年度末で、加入事業所は55.5万、加入している従業員は567.8万人です(厚生労働省)。
加入できるのは、次のどちらかに当てはまる中小企業です。
| 業種 | 常用従業員数 | または 資本金・出資金 |
|---|---|---|
| 一般業種(製造・建設など) | 300人以下 | 3億円以下 |
| 卸売業 | 100人以下 | 1億円以下 |
| サービス業 | 100人以下 | 5千万円以下 |
| 小売業 | 50人以下 | 5千万円以下 |
掛金は全額会社が負担|月5,000円〜30,000円
掛金は、会社が従業員一人ひとりについて毎月納めます。掛金は全額事業主負担で、従業員の給料から差し引くことはできません。給与明細に「中退共」の天引きがあったら、会社に確認したほうがよいサインです。
| 区分 | 掛金月額 |
|---|---|
| 通常の従業員 | 5,000円〜30,000円の16種類(5,000/6,000/7,000/8,000/9,000/10,000/12,000/14,000/16,000/18,000/20,000/22,000/24,000/26,000/28,000/30,000円) |
| 短時間労働者(週の所定労働時間が通常の従業員より短く、30時間未満) | 上記に加えて、2,000円/3,000円/4,000円も選べる |
退職金はいくら?|加入していた期間で決まる
中退共の退職金は、掛金の額と、掛金を納めた月数で決まります。加入期間が短いと、掛金の合計より少なくなったり、出なかったりします。
| 掛金を納めた月数 | 退職金の目安 |
|---|---|
| 11か月以下 | 支給されない(通算できる場合などを除く) |
| 12〜23か月 | 掛金の合計を下回る |
| 24〜42か月 | 掛金の合計とほぼ同じ(例:月5,000円×36か月なら約18万円) |
| 43か月以上 | 掛金の合計を上回る(運用利息や付加退職金が上乗せされる) |
退職金は「基本退職金」と「付加退職金」の合計で、基本退職金の予定運用利回りは1.0%です。自分のおおよその金額は、中退共のホームページにある試算や、会社に毎年届く「掛金納付状況票及び退職金試算票」で確認できます。
退職したときの手続き|流れ図
図解:中退共の退職金を受け取るまで
会社 → あなた → 中退共
住民票・本人確認書類のコピーを添付約4週間で本人の口座に振込
振込の2週間ほど前に「退職金等振込通知書」が届きます。掛金の納付状況によっては2か月以上かかることがあります。
退職金が届かない・もらえないときの確認ポイント
- ✅ 掛金を納めた月数が12か月以上あるか(11か月以下は原則として支給されない)
- ✅ 会社が中退共に「退職届」を出しているか(出していないと請求書類が届かない)
- ✅ 会社から請求書(退職金共済手帳)を受け取ったか
- ✅ 請求書に住民票と本人確認書類のコピーを添えて送ったか
- ✅ 請求から4週間以上たっているか(納付状況によっては2か月以上かかる)
会社が手続きをしてくれない、会社と連絡がとりにくいといった場合は、勤労者退職金共済機構の中退共事業本部に問い合わせましょう。退職代行を使って辞めた場合も、退職金を受け取る権利はなくなりません。
転職したら通算できる|次の会社も中退共なら
転職先も中退共に加入している場合は、次の3つをすべて満たすと、前の会社での加入期間を引き継げます。
- ✅ 前の会社で掛金を12か月以上納めている
- ✅ 前の会社を退職してから3年以内に、新しい会社で中退共の被共済者になる
- ✅ 前の会社の分の退職金を請求していない
通算したい場合は、前の会社の分を請求しないでおく必要があります。商工会議所などの「特定退職金共済」や、建設業などの特定業種退職金共済とも、条件を満たせば通算できます。
税金|一時金は「退職所得」になる
中退共の退職金を一時金で受け取ると、税法上は退職所得になります。請求のときに「退職所得の受給に関する申告書」を出せば、退職所得控除が反映され、多くの人は税金がかからないか、少額で済みます。退職時に60歳以上なら分割払いも選べ、分割分は公的年金等の雑所得として扱われます。
自分が中退共に入っているか確かめる方法
加入すると、会社を通じて「加入通知書」と「退職金共済手帳」が届きます。また毎年、会社に「掛金納付状況票及び退職金試算票」が届き、その中の従業員向け「加入状況のお知らせ」を会社が従業員に配ることになっています。心当たりがなければ、まずは会社の総務・人事に確認しましょう。
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よくある質問
※本記事は2026年10月時点の勤労者退職金共済機構(中退共)と厚生労働省の公表情報をもとに作成しています。金額・手続きは変わることがあります。正確な内容は中退共の公式ホームページや、会社の担当者にご確認ください。



