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2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対策が、すべての会社の義務になりました。お客さんからの暴言や長時間の拘束、無理な要求に耐えながら働いてきた人にとっては、大きな変化です。
この記事では、何が義務になったのか、会社は具体的に何をしなければならないのかを、厚生労働省の資料に沿って整理します。そのうえで、「もう辞めたい」と思うほどつらいときにやること、労災や失業保険の考え方まで、人事・労務の実務経験をもとにまとめます。
・会社がやること:方針の明確化と周知/相談体制の整備/発生後の迅速な対応/抑止の措置/プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
・つらいときは、まず記録を残して会社の相談窓口へ。相談したことを理由に不利益に扱うことは許されない
・会社が動かないときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料)へ
・心身を壊したら労災の対象になり得る。2025年度は「顧客などからの著しい迷惑行為」による精神障害の労災支給決定が127件あった
上司に言い出せない・引き止めが怖いときは
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目次
何が変わった?2026年10月からのカスハラ対策の義務化
2025年6月に成立した改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日から、事業主はカスハラを防ぐための雇用管理上の措置を講じることが義務になりました。厚生労働省は2026年2月26日に、具体的な内容を示す指針を告示しています。
| カスハラにあたる3つの要素(すべて満たすもの) | 内容 |
|---|---|
| 誰の言動か | 顧客、取引先、施設利用者など、仕事上の利害関係がある人 |
| どんな言動か | 社会通念上、許される範囲を超えた言動 |
| 結果 | 働く人の就業環境が害される |
厚生労働省は、許される範囲を超えた言動の例として、しつこく続く言動、威圧的な言動、暴言や侮辱、暴行などの身体的な攻撃、長時間の居座りなどの拘束、契約と関係のない要求、対応できない要求などを挙げています。正当なクレームや要望そのものは、カスハラにはあたりません。
出典:厚生労働省 Webマガジン「従業員を守るために ― カスタマーハラスメント対策の新ルール」、各都道府県労働局
会社に義務づけられた5つの措置
| 措置 | 会社がすること |
|---|---|
| 方針の明確化と周知 | カスハラには毅然と対応し、働く人を守るという方針を決めて、社内に知らせる |
| 相談体制の整備 | 相談窓口を決めて、働く人に知らせる |
| 発生後の迅速・適切な対応 | 事実を確認し、被害を受けた人に配慮し、再発を防ぐ |
| 抑止のための措置 | 悪質なケースへの対応方針を決め、体制を整える |
| あわせて行うこと | 相談した人のプライバシーを守り、相談したことを理由に不利益に扱わないと決めて知らせる |
同じ2026年10月1日から、就職活動中の学生やインターンシップ生など、求職者へのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置も義務になっています。
カスハラで辞めたいほどつらいとき|順番にやること
心や体を壊したら:労災の対象になり得る
精神障害の労災認定の基準には、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」という出来事が含まれています。厚生労働省の「令和7年度 過労死等の労災補償状況」では、この出来事による精神障害の支給決定が127件で、パワーハラスメント(222件)に次いで多い出来事のひとつでした。
労災の請求は、会社ではなく労働基準監督署に対して行います。また、2026年7月に公布された改正労災保険法により、精神疾患などの判断が難しい疾病については、療養補償給付などの請求期限が2年から5年に延びます(2027年4月1日施行)。
出典:厚生労働省「令和7年度『過労死等の労災補償状況』」、同「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の概要」
カスハラが原因で辞めたら、失業保険はどうなる?
失業保険で「会社都合」と同じ扱いになる特定受給資格者の基準には、上司や同僚からの嫌がらせや、ハラスメントを会社が把握しながら対応しなかったケースなどが含まれています。ただ、お客さんからの迷惑行為をそのまま書いた項目は、確認できた範囲では見当たりません。
一方で、体調を崩して働き続けられなくなって辞めた場合は、「正当な理由のある自己都合退職」である特定理由離職者にあたる可能性があります。この場合、自己都合退職の給付制限がかかりません。どちらにあたるかはハローワークが判断するので、記録や診断書を持って相談してください。
自分で「辞めます」と言えないとき
カスハラで心が限界に近いと、上司と退職の話をすること自体がつらくなることがあります。そんなときに、会社への連絡を代わりにしてもらうのが退職代行です。有給休暇や退職日の交渉が必要なら、労働組合か弁護士が運営しているところを選んでください。
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よくある質問
まとめ|10月からは「我慢しない」が会社のルールになった
- ✅ 2026年10月1日から、すべての会社にカスハラ対策が義務づけられた
- ✅ 会社は、方針の周知・相談窓口・発生後の対応・抑止・不利益取扱いの禁止を行う
- ✅ つらいときは、記録を残して相談窓口へ。会社が動かなければ労働局へ
- ✅ 心身を壊したら労災の対象になり得る。2025年度の支給決定は127件
- ✅ 体調が理由で辞めるなら、特定理由離職者にあたる可能性がある
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